宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2016年9月5日月曜日

愚者は成時に闇く、智者は未萌に見る

 「愚者は成時に闇く(くらく)、智者は未萌(みほう)に見る」 戦国策


 「愚かな者とは、悪い物事が起こってきた段階でも、まだ気づかない人物であり、智慧のある者とは、まだ兆し(萌し)が起こった段階であらかじめ察知し、最適な対策を講じることができる人物のことですよ。」


 …という意味でしょう。


 未萌に見るとは、言わば危険察知能力。
 厳しい実社会を安全に生き抜くためには大事なことです…。


 参考までに「合気とは、敵の仕掛ける技を未然に察知できる能力のことだ」と説明する古武道家もいらっしゃいます。


 確かに敵の仕掛ける技が未然に察知できれば、これに越したことはありませんね。


 なお、この「智者は未萌に見る」は元来、武道家の徳の一つとして重要視されてきたものです。


 さて、社会生活上では、

 1.「何となく気になる。または、何となくそんな感じがする」、

 2.「自然と周囲から自然とある方向性へ誘導されている」

 …が羅針盤です。


 もちろん、これには空気が読める以上の感覚(嗅覚?)が前提になります。


 このことが理解できる精神状態で、この事実に確信が持てた場合にようやく「見えないものへの感謝」や「おかげさま」の意味が理解できるようになり真の信仰心が生じます。


 このうえで始めて、「智者は未萌に見る」ことが可能になるようです。


 何も宗教の話をしているのではありません(笑)


 古今東西の「覚者」と言われてきた人には、当然のこととして生じる事実ですし、「このことなくして大成することはない」と喝破する空手家も存在します。


 合気道開祖植芝盛平先生の神業も「未萌に見る」ことなくしては不可能でしょう 。



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2016年8月22日月曜日

人は楽を得んとして苦しむ

 「人は楽を得んとして苦しむ」



 近所の仙光寺の掲示板に掲載されていたのを散歩中に発見!


 …そのとおりですね。


 ちっちゃいことや姑息なことは考えず、


 無私無偏!!


 真っ直ぐ生きたいものです。



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2016年8月8日月曜日

戦氣

 「戦氣」(せんき)。


 宮本武蔵の書が有名ですね。


 戦いに臨んだときの気迫を表現している言葉と言われています。



 武蔵の書は、この戦氣の後に「寒流帯月澄如鏡(かんりゅうつきをおびてすむことかがみのごとし)」という唐代の詩人白楽天の詩の一句を付け加えています。


 冷たい冬の夜、川面に映る月が鏡のように澄みわたっているという意味でしょう。きっと、澄みわたる心の状態が戦気に通じるといった意味で書かれたのでしょうね。


 いわゆる合気道における「すみきり」の境地。


 この置物は、今は亡き書道家の押川仁さんから道場開きのお祝いにいただいたお気に入りの品です。


 大事にします。



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2016年8月1日月曜日

男の順序

 先日、テレビで明治維新の志士たちが学んだ剣術として薬丸(野太刀)自顕流が紹介されていました。


 私も生で、幾度となく拝見しましたが、たいへん迫力があります。


 特に青少年の心と身体を練り上げるのには、とても素晴らしい剣術だと感じています。




 さて、話は変わりますが、薩摩と聞いいて、久しぶりに「薩摩の訓え『男の順序』」を思い出しましたので紹介します。


【薩摩の訓え ~ 男の順序】

  一 何かに挑戦し、成功した者
  二 何かに挑戦し、失敗した者
  三 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
  四 何もしなかった者
  五 何もせずに批判だけしていた者


 同じ九州人だからなのでしょうか?


 この格付けは適当だと感じますが、皆さんはどのように感じましたでしょうか。



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2016年7月25日月曜日

剣の法(Ken no nori)

 「剣の法(Ken no nori)」



 ‥勝つことを活かすことに、殺すことを創ることに‥。


 ありがたい‥。


 上級者向けでたいへん難解な本ですが、久しぶりに面白い本に出会えました。


 立教大学教授で新陰流武術探究会を主宰されている前田英樹先生の著作です。


 でもこの本、注意が必要です。


 前田先生独特の哲学者のような説明と武術的専門用語の多さから、人によっては、まったく面白くない(笑)はずです。


 前田先生の本は、「剣の思想」、「宮本武蔵五輪の書の哲学」、「独学の精神」、「倫理という力」などを通じて多々影響を受けてきましたが、私にとっては、群を抜いてこの本は面白いと感じています。


 年齢を重ねるごとに様々な理由から、薄っぺらな書籍は読むに堪えなくなります。こんなに考えさせられた本は久しぶりですね。


 さて、御存じのとおり、タイ捨流剣法は、元々は新陰流です。


 タイ捨流は、新陰流二十世の柳生厳長師範が雄一認めた「新陰流の正統」(著書 正傳新陰流より)でもあります。なお、その他の新陰(影)流を名乗る流派は一切正統だとは認めていないようです。


 私は、タイ捨流も新陰流も縁により結果的に学ぶことになりましたが、両方を学んだことで、「なぜこのような動きをするのか?」等々、形骸化していると思われる部分の解読にたいへん力になりました。


 最後に‥、新陰流も世界に誇れる素晴らしい剣術ですよ。



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2016年7月19日火曜日

三世一貫の理(タイ捨流武道哲学)

 参考までにタイ捨流剣法の哲学「三世一貫の理」を紹介します。


 多分、タイ捨流の歴史において初めて発表するものだと思いますが、たいへん重要な内容ですので、ぜひ覚えてください。


 きっと、人生において何か重要な判断をしなければならない時の指針になると思いますよ。


 なお、タイ捨流等の伝統武道、若しくは古武道と言われるものには、生死の境を垣間見た先人たちの素晴らしい教え、哲学、智慧が残っていることに驚かされます。


 私もずいぶん助けられましたし、今も助けられています。


 内容については、多少宗教哲学的になります。


 なお、このような話にアレルギーがある方もいらっしゃるとは思いますが、そのような方には必要のない教えですので、ここから先は読み飛ばしてください。



 さて、「三世一貫の理」とは何か?


 「人は必ず死ぬ『生き物』である。


 人とは、物質体と意識体、つまり『肉体と意識体(魂・心)』それぞれ存在する次元の異なる世界を越えて合一したものであり、死とはその物質体のみが消耗しつくした状態のことをいう。


 物質体は、有限な存在で所謂消耗品である。


 意識体は、人の死と共に亡くならない無限な存在である。


 この意識体(魂)は、自我滅却を目的とした経験を積むためにこの人間界に修業に来るが、有限な存在の物質体(肉体)が消耗しつくし死を迎える。


 意識体は、『一般的に』来世へ向かうために一旦は中間世へ向かい、その後来世へ生まれ変わる。


 『一般的に』と表現したのは、人間界の修業が完了した人は、生まれ変わる必要がなくなるためである。


 次に『過去世-現世-来世』、若しくは、『現世-中間世-来世』のことを三世という。


 この法則を理解し、人生の判断基準の一つとして活用して、三つの世を一貫して生きることで初めて正しい人生を生きぬくことが可能になり、真に生き生きとした人生、前向きで積極的な人生を歩めるようになる。


 この法則・原理を理解し、人生を達観しなさい。」


  ‥ということ。 このことを『三世一貫の理』といいます。


 信じる、信じないは皆さんの自由です。


 なお、合気道開祖は、「この合気道において禊をし、精神の立て直しをするのです。『この肉体は黄金の釜』であります。霊魂をつくり直すことができるのです。」と話されています。


 人間界に修業に来た魂を練り直すために必要な肉体のことについて、このように表現されたのだと思いますが、皆さんは、どのようにお考えでしょうか。



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2016年7月11日月曜日

日本人は幸せなのだろうか‥

 清貧な暮らしぶりから、「世界一貧しい大統領」と呼ばれていたウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカさんが来日されました。


 そして、訪問した大学での講演での言葉。


 「人生で最も重要なことは勝利することではなく、転ぶたびに起き上がることです。そして、自分の意思を持って生きることです」、


 そして、日本人について一言、


 「日本人は、勤勉で地とても優しい。しかし、若者は夢を持てなくなっていると聞きました。果たして日本人は幸せなのだろうかと自問しました」、とのことです。


 私の海外を巡っての感想では、日本ほど安全で快適に生活できる国はありません。


 しかし、幸福は本人の心の尺度の問題。


 結局のところ、「道ばたに花が咲いた」、「今日の夕焼けがきれい」、「ちょっとした気遣いを喜ばれた」など、小さなことに感謝できる人が幸せなんだろうと思います。


 宗教家が「感謝!」をよく口にされるのもこういった理由からでしょうね。


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