‥前回からの続き
武道において、人を投げたり、痛めたりするという段階も必要なのかもしれませんが、結局のところ、真の武道では、そのようなことは二の次です。
真の武道とは、明鏡止水の境地を求め、無心で修練し心身を浄化することが目的です。
結果、武道は、神道における「禊」と同じ概念になるのでしょう。
ここが理解できて初めて、「最大の敵は自分自身の心‥」という意味が理解できることでしょう。
道とは、常に正しい心の状態を求めるものですが、大事なことは、いったんこの正しい心の状態、「真の自然体」に至ったならば、「心がもともと持っていた働きを取り戻し、本来の活動を始めだす」ということです。
これを私は、「魂の発動」と呼んでいます。
どのような現象が起きるかと言いますと、「落ちる飛行機には乗ら(れ?)なくなる」、「ネズミ取り(警察の取り締まり)にはかからない」、「なんとなく振り返ったら事故から免れた」等々、テレビや雑誌で「奇跡」と紹介されているようなことが身の回りで起こり始めます。
そして、自然体の人は決して騙すことはできませんので、「なんとなく怪しい人、危険!」と感じて、詐欺などには一切ひっかからなくなります。
これは、心が持っている本来の機能であり、十悪が心の機能を発揮させなくしていただけです。非切りの太刀を習慣化することで、この機能が蘇ります。
そして、この心の状態を維持し続けると、このようなことは日常茶飯事になり、当人にとっては奇跡なんかではなく当たり前のことに感じることでしょう。
最後に‥、合気道界では、このような「邪心をはらい清めた精神状態」のことを『魂の比礼振り』(こんのひれぶり)と呼び、転じてこの精神状態から発する自己防御作用(魂の発動)のことも同様に“魂の比礼振り”と表現します。
この“魂の比礼振り”は、剣でいうところの、一刀流の「夢想剣」や直心影流の極意である「直心」と同じものだと私は見ています。
非切の太刀とは、心の非を斬る太刀、
最後の敵はあくまで自分の心‥、日々是修業ですね(笑)
‥終わり
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