さて、心身統一法とは、天風哲学と呼ばれる宇宙観、生命観、人生観を基に「命の持つ力を最大限発揮するための理論と実践論」です。
人間の“命”は、“心と体が一つになって支えており”、心の態度を積極的にし、体の状態を健全に保つことで、健康で幸福な人生を堂々と歩むことができるための具体的な方法論を述べたものです。
この「命の持つ力を最大限発揮するための理論と実践論」である心身統一法は、説法を開始したのが大正時代であり、当時は講話が主な伝達手段であったようで、その頃の講話録等がたくさん販売されていますが、なかなか講釈が面白くて飽きませんよ。
参考までに中村天風氏の講話(抜粋)を紹介します。
<心の思考が人生を創る>
可能なかぎり、消極的な気持ちで肉体を考えないようにすることが何よりも大切である。特に病のときは病を忘れる努力をすべきである。一言でいうならば、「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」、
心が積極的方向に動くのと、消極的方向に動くのとでは、天地の相違がある。ヨガ哲学ではこれを、「心の思考が人生を創る」という言葉で表現している。
<生活の情味を味わう>
生活の情味を味わわずに活きている人は、本当の人生生活はないといえる。もっと極言すれば、人間の幸いとか、不幸とかいうものは、結果からいえば、生活の情味を味わって活きるか否かに所因するといえる。
貴賎貧富などというものは第二義的なものである。実際いかに唸(うな)るほど金があっても、高い地位名誉があっても、生活の中の情味を味わおうとしない人は、いわゆる本当の幸福を味わうことは絶対にできない。
<家庭について(抜粋)>
人生は笑いで過ごすことである。一家揃って、特に主人をはじめ家族の外出や帰宅の際は、一層ニコニコすることが肝要である。多少の不満や不平はさらりと捨てて、況(いわん)や無始無終の宇宙生命に比すれば、人の命は決して長いものでない。
従ってどんなに愛し合っても、また健康であっても、百年と一処(いつしよ)に生活はできるものでないということに想到したら、終始一貫笑顔で睦(むつ)まじく暮らすのが、最も正しい人生生活だと気がつくであろう。況(いわん)や、怒ったり、争ったりするために、家庭を持つのではないはずであるから…。
…つづく
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