今回は、「知命」(ちめい)と「立命」(りつめい)について書いてみます。
さて、天命とは生まれ持った天からの命令のことですが、誰しも、ある程度の精神年齢に至れば、「私の天命ってなんだろう?」、「私って何者なんだろう‥?」と気になりますよね。
ここで命を知ること、これを「知命」と言いますが、つまり天命を悟ることが必要になってきます。
この知命、具体的には、初めに「自分がどういった素質や能力を天から賦与されているか」をまずもって考えに考えます。
次に現在までに生きてきた過程で、それらの素質や能力について「自分がどういった天運を持っているか」を考えます。
最後に「自分は何をやりたくて生まれてきたのか」を考えます。
‥ここまでは理屈の世界、考え抜いている時に直感するものがあると思います。
若しくは、「なんとなくそうじゃないかなぁ」と思えるものがあるはずです。
それが天命だと思われます。
これが知命。
次に立命とは?
立命とは「天命を知り(知命)、それを完全に発揮する」こと。
天命を確信し、自身の全精力を傾注し、命に尽くしていく、これを「立命」といいます。
ノーベル賞受賞者など、功成り名を遂げた方の自伝を読むと、早い時期から天命を自覚し、その方面に対し能力を発揮し尽くしているように思います。
ちなみに論語の最後には、「命を知らねば君子でない」と書いてあります。
厳しいが実に的を得ている言葉だと思います。
まずは、天命を知り(知命)、そして、その命に人事を尽くす(立命)、このことは、その人の生き方・生き様の基盤となります。言わばビルの基礎工事です。基礎がしっかりしていないと大きな建物は建設できません。
子育て中の方、教育者・指導者と呼ばれる方、ぜひ、その本質を見極められて、指針とされることを切に願います。
このブログの読者から相談のメールをいただきました。
内容は、「占い師?(宗教家?のような方」に悩みを相談したところ、『これは運命なので変えられません』と言われて悩んでいます。運命というものについて、もう少し深く教えてください‥」とのこと。
詳細な内容は記載されていませんでしたので、具体的に何の悩みを相談されたのかは分かりませんが、この場合、宿命(人種、性別、両親、肌の色など)に関する悩みであれば、確かに変えることはできません。若しくは困難だと言えます。
しかし、「運命ならば変えられます」。
そうでなければ宗教や哲学、そして人生相談や占い等々は、辛いものを受け入れなければならないだけで、そこには何の価値も見いだせなくなるのではないかと思います。
さて、「運命は変えられる!」、
このことを理解するには、まずは「幸」と「福」の違いについて理解を深めることが近道です。
「しあわせ・さいわい」には二種類あり、これは「幸」と「福」とに分けて表現されています。
「幸」の本来の意味は、棚からぼた餅的な幸せのこと。
具体的には、よい家柄・よい容姿に恵まれた、宝くじが当たったなど、その人自身に原因がない偶発的に与えられた幸せのこと。言わば幸運(ラッキー)のことです。
「福」の本来の意味は、自分が蒔いた良い種が実り得られた幸福のこと。
福の字の右の旁(つくり)は、米俵が積まれている様を表現したもので収穫を積み重ねたという文字。左の示偏(しめすへん)の示は神様の事。神の叡智が天から降り注いでいる意味。
この場合の神とは、宇宙の法則の事で「良い種を蒔けば良い実がなり、悪い種を蒔けば悪い実がなる法則」のこと。
どちらも「しあわせ・さいわい」ですが、『福は自らの手で掴んだ幸せ』。
ここがポイント!です。
‥つづく
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