2016年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典、東京工業大学栄誉教授(71)に決まりました。
さて、先日、ニュースを見ていましたら、大隈教授のインタビューが流れていましたが、その言葉の一つ一つが味わい深く感じました。
‥ということから参考までに紹介します。
「あんまり競争が好きではありませんので人がよってたかっていることをやるより人がやっていないことをやる方が楽しい。これはサイエンスのある意味では本質であると思っています」、
「皆さんがあまり興味を持たなかった時代に、私はタンパク質の分解の研究を始めた。皆で寄ってたかってやることもサイエンスの一つの在り方だとは思う。しかしそれより、人がやっていないことをやる方が楽しいというのが本質みたいなものだ。誰が一番乗りするかを競うより、誰もやっていないことを見つける喜びの方が大事ではないか」、
「一つだけ強調したいのは、私が研究を始めた時は『病気に役立つ』などと確信して始めたわけではない。基礎研究はそういうものだと認識してほしい」、
「研究にゴールはない」、
「オートファジーの仕組みの解明はまだ3合目で分からないことの方が多い。今後も若い人たちに問題提起を続けていく」、
「静止画像では語れないもの。生命はいつもエネルギーを取り込み、自分の中を維持して初めて成立する。細胞の中で、構成要素が合成と分解などを繰り返して動き回っている。つまり、生命はダイナミックにしか存在しない。そのことの一つの側面がオートファジーだ。細胞の持つ基本的な性質であり、より解明が進むことを期待したい」、
「私自身、もうちょっとオートファジーの生理学を究めたい。いまだに酵母にたくさんのことを問いかけている。それが動物細胞の理解につながってくれればいいなという思いで。若者には、自分で興味のある現象をやってもらい、新しい生物学を作ってほしい」、
私は、このインタビューを聞いて、この受賞を機に実は「何かを訴えたかったのかな?」とも感じましたが、皆さんはどう思われたでしょうか。
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