宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2017年5月29日月曜日

武道的思考

 この本の著者である内田樹さんは、合気道の多田宏先生の門下で神戸女学院大学名誉教授の方です。

  「何かためになる本ないかなー」と書店で探していたときに偶然見つけた本。

  自身のブログを本にしたようで、視点が少し異なるので、少々違和感を覚えることもありましたが、堅苦しくなく楽しく読める珍しい武道本です。

 興味のある方はどうぞ。

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2017年5月22日月曜日

男の順序

 写真は薬丸(野太刀)自顕流の立木(横木)、薩摩と聞くと思い出します。


 薩摩の訓え ~ 男の順序


 一 何かに挑戦し、成功した者
 二 何かに挑戦し、失敗した者
 三 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
 四 何もしなかった者
 五 何もせずに批判だけしていた者


 同じ九州人だからなのでしょうか?


 このランク付けには納得!です。


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2017年5月15日月曜日

タイ捨流の哲学「三世一貫の理」

 参考までにタイ捨流剣法の哲学を一つ紹介します。

 それは、「三世一貫の理」というもの。

 多分、タイ捨流の歴史において初めて発表するものだと思いますが、たいへん重要な内容ですので、ぜひ覚えてください。

 きっと、人生において何か重要な判断をしなければならない時の指針になると思いますよ。

 なお、タイ捨流等の伝統武道、若しくは古武道と言われるものには、生死の境を垣間見た先人たちの素晴らしい教え、哲学、智慧が残っていることに驚かされます。

 私もずいぶん助けられましたし、今も助けられています。

 内容については、多少宗教哲学的になります。

 なお、このような話にアレルギーがある方もいらっしゃるとは思いますが、そのような方には必要のない教えですので、ここから先は読み飛ばしてください。

 さて、「三世一貫の理」とは何か?

 「人は必ず死ぬ『生き物』である。

 人とは、物質体と意識体、つまり『肉体と意識体(魂・心)』それぞれ存在する次元の異なる世界を越えて合一したものであり、死とはその物質体のみが消耗しつくした状態のことをいう。

 物質体は、有限な存在で所謂消耗品である。
 意識体は、人の死と共に亡くならない無限な存在である。

 この意識体(魂)は、自我滅却を目的とした経験を積むためにこの人間界に修業に来るが、有限な存在の物質体(肉体)が消耗しつくし死を迎える。

 意識体は、『一般的に』来世へ向かうために一旦は中間世へ向かい、その後来世へ生まれ変わる。

 『一般的に』と表現したのは、人間界の修業が完了した人は、生まれ変わる必要がなくなるためである。

 次に『過去世-現世-来世』、若しくは、『現世-中間世-来世』のことを三世という。

 この法則を理解し、人生の判断基準の一つとして活用して、三つの世を一貫して生きることで初めて正しい人生を生きぬくことが可能になり、真に生き生きとした人生、前向きで積極的な人生を歩めるようになる。

この法則・原理を理解し、人生を達観しなさい。」


    ‥ということ。 このことを『三世一貫の理』といいます。

 信じる、信じないは皆さんの自由です。

 なお、合気道開祖は、「この合気道において禊をし、精神の立て直しをするのです。『この肉体は黄金の釜』であります。霊魂をつくり直すことができるのです。」と話されています。

 人間界に修業に来た魂を練り直すために必要な肉体のことについて、このように表現されたのだと思います。


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2017年5月8日月曜日

剣の法(Ken no nori)

 「剣の法(Ken no nori)」 ‥勝つことを活かすことに、殺すことを創ることに‥。


 ありがたい‥。


 上級者向けでたいへん難解な本ですが、久しぶりに面白い本に出会えました。


 立教大学教授で新陰流武術探究会を主宰されている前田英樹先生の著作です。


 でもこの本、注意が必要です。
 前田先生独特の哲学者のような説明と武術的専門用語の多さから、人によっては、まったく面白くない(笑)はずです。


 前田先生の本は、「剣の思想」、「宮本武蔵五輪の書の哲学」、「独学の精神」、「倫理という力」などを通じて多々影響を受けてきましたが、私にとっては、群を抜いてこの本は面白いと感じています。


 年齢を重ねるごとに様々な理由から、薄っぺらな書籍は読むに堪えなくなります。こんなに考えさせられた本は久しぶりですね。


 さて、御存じのとおり、タイ捨流剣法は、元々は新陰流です。


 タイ捨流は、新陰流二十世の柳生厳長師範が唯一認めた「新陰流の正統」(著書 正傳新陰流より)でもあります。なお、その他の新陰(影)流を名乗る流派は一切正統だとは認めていないようです。


 私は、タイ捨流も新陰流も縁により結果的に学ぶことになりましたが、両方を学んだことで、「なぜこのような動きをするのか?」等々、形骸化していると思われる部分の解読にたいへん力になりました。


 最後に‥、新陰流も世界に誇れる素晴らしい剣術ですよ。


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2017年5月1日月曜日

ヒラリー・クリントン氏からのメッセージ

 番狂わせとは、まさにこのこと‥、トランプ氏が勝つはずはないと思い、当時は、ニュースさえ気にもとめていませんでした。


 ‥選挙とは、最後の最後まで分からないものですね。


 そんなことを感じたアメリカ大統領選でした。


 さて、ヒラリー・クリントン氏が敗北宣言の席で素晴らしい言葉を述べています。


 「憲法に基づく民主主義は、私たちの参加を求めます。4年に1度の選挙のときだけではありません。常に参加を求めているのです。だから、できることをやりましょう。私たちが大切にしている理念や価値を前に進めていくために。私たちの経済を富裕層だけでなく、みんなのものにするために。私たちの国を、私たちの地球を守るために‥」


 他にも素晴らしい言葉があったのですが、特に若者を鼓舞するメッセージが心に響きました。


 「皆さんに、特に若い人たちに聞いて欲しいんです。私は、自分が信じるもののために、生涯をかけて戦ってきました。勝ったことも、負けたこともあります。辛い思いもしました。あなたたちも、勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。負けることは辛い。でも、決して、信じることをやめないでください。権利を求めて戦うことは、価値のあることです。やるべき価値のあることなんです」


 「私たちは最も高い『ガラスの天井』を打ち破ることはできませんでした。でも、いつか誰かが打ち破るでしょう。そのときが、今、私たちが考えている以上に早いことを望みます。あなたは、価値がある存在で、しかも力強い。あなたの夢を実現する機会を追い求めるに値するんです。そのことを、決して疑わないで‥」


 私も、この言葉を若い道場生達に送りたいと考えます。



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2017年4月24日月曜日

ノーベル医学生理学賞 大隅良典教授の言葉

 2016年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典、東京工業大学栄誉教授(71)に決まりました。


 さて、先日、ニュースを見ていましたら、大隈教授のインタビューが流れていましたが、その言葉の一つ一つが味わい深く感じました。


 ‥ということから参考までに紹介します。


 「あんまり競争が好きではありませんので人がよってたかっていることをやるより人がやっていないことをやる方が楽しい。これはサイエンスのある意味では本質であると思っています」、


 「皆さんがあまり興味を持たなかった時代に、私はタンパク質の分解の研究を始めた。皆で寄ってたかってやることもサイエンスの一つの在り方だとは思う。しかしそれより、人がやっていないことをやる方が楽しいというのが本質みたいなものだ。誰が一番乗りするかを競うより、誰もやっていないことを見つける喜びの方が大事ではないか」、


 「一つだけ強調したいのは、私が研究を始めた時は『病気に役立つ』などと確信して始めたわけではない。基礎研究はそういうものだと認識してほしい」、


 「研究にゴールはない」、


 「オートファジーの仕組みの解明はまだ3合目で分からないことの方が多い。今後も若い人たちに問題提起を続けていく」、


 「静止画像では語れないもの。生命はいつもエネルギーを取り込み、自分の中を維持して初めて成立する。細胞の中で、構成要素が合成と分解などを繰り返して動き回っている。つまり、生命はダイナミックにしか存在しない。そのことの一つの側面がオートファジーだ。細胞の持つ基本的な性質であり、より解明が進むことを期待したい」、


 「私自身、もうちょっとオートファジーの生理学を究めたい。いまだに酵母にたくさんのことを問いかけている。それが動物細胞の理解につながってくれればいいなという思いで。若者には、自分で興味のある現象をやってもらい、新しい生物学を作ってほしい」、


 私は、このインタビューを聞いて、この受賞を機に実は「何かを訴えたかったのかな?」とも感じましたが、皆さんはどう思われたでしょうか。


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2017年4月17日月曜日

空手道と合気道2

 ちなみに先ほどの倉本師範の言葉。


問:先生の技を見ていると演武のような打撃だけではなく、合気のような動きも多いですよね。

倉本師範:合気道の選手もうちの塾にやって来ますが、「パンチなどでガンガン攻められると合気道の技術は使えない」ということを言ってくる。であれば、「なぜ使えるようにするための工夫をしないんだ?」というのが僕の考え方。僕は「合気は使えるよ」と教えてやる。そして打撃の中でどう合気道の技を使うかを実際にやって見せてあげる。要はみなさんがそこの領域まで行けていないわけです。


問:確かに残念ながら合気道は実戦では使えないみたいなイメージは存在します。

倉本師範:実際は使えるんです。使えないというのは相手と触れ合うときの「入り口」が見つからないんですね。


 ‥とのことです。参考まで。


 最後に、中村師範の言葉。


 「その人に哲学がなければ、武道をやっていてもしょうがない」。


 「自分が武道修行をやったことによって、いかにして社会の発展に貢献できるかどうかが全てだ。社会に貢献できないのなら、一人で山の中で突き蹴りをやればいい」。


 「実技と理論を並行して学べ。実技の伴わない理論は空理空論であり、技術だけに走っても進歩は遅く、いたずらに苦労を重ねるだけである」。


 「理より入る者は、技より入るものより一日の長あり。その技法を会得して後、手足の鍛錬をなすべきである」。


 「社会生活の理想は平和であり、争いはあくまで避けなければならない。しかし、現実の社会生活には、まだ多くの争いまたは障害が伴っている。世には正義の仮面をかぶって心に邪悪の剣をとり、道理を無視する者が個人間にも、団体間にも、国際間にもあとを絶たないものだ。現代の現実にあって正義を貫くには、どんな障害にも打ち勝つ強固な意志と気迫、臨機応変の機敏と沈着を必要とする。これらの諸徳は、死生を越えて真剣の勝負を競う武道修行によって最もよく養われるのである」。


 「身を護れ。相手を攻めようと思ったら自ら隙が出て、敵に乗じられるのである。身を護っていれば、相手の隙が自然に見えてくるのである」。


 中村師範の哲学を総合的に解釈すると、結局のところ「鍛えた肉体と精神をもって、いかにこの世の進化向上に寄与できるか」を求めていたように思われます。


 私も社会生活に生かせない武道に価値はないと思います。


 たいへん勉強になります。ありがとうございました。


‥終わり



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