宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2017年9月18日月曜日

傳家寶(でんかほう)

 道場を開くにあたって、道場訓というものを考えたことがあります。

 
 他の道場の道場訓を収集し、さらに各種の古典から名文をピックアップしていたところ、その際に安岡正篤先生の傳家寶(でんかほう)という言葉に出会いました。


 内容は、道場訓的なものでなく、言うところの我が家の家訓というものです。
 しかし、家訓としてはレベルが高すぎる。
 それで、傳家寶、つまり「家の家宝として伝える言葉」と言うのでしょう。


「傳家寶」
一、我が幸福は祖先の遺恵、子孫の禍福(かふく)は我が平生(へいぜい)の所行にあること、已(すで)に現代の諸学にも明らかなり。

二、平生・己(おのれ)を省(かえり)み、過(あやま)ちを改め、事理を正し、恩義を厚くすべし。百薬(ひゃくやく)も一心の安きに如(し)かず。

三、良からぬ習慣に狎(なれ)るべからず。人生は習慣の織物と心得べし。

四、成功は常に苦心の日に在り。敗事は多く得意の時に因(よ)ることを覚(さと)るべし。

五、事の前に在りては怠惰、事に当っては疎忽(そこつ)、事の後に於(おい)ては安逸(あんいつ)、是(こ)れ百事成らざる所以(ゆえん)なり。天才も要するに勤勉のみ。

六、用意周到なれば機に臨んで惑(まど)うことなし。信心積善(せきぜん)すれば変に遭うて恐るることなし。

七、不振の精神・頽廃(たいはい)せる生活の上には、何ものをも建設する能(あた)わず。永久の計は一念の微にあり。


 ‥是を読んで、私が考えていた道場訓がやけに恥ずかしくなり(笑) 未だに完成していません‥。


 しかし、いつの間にやら、この傳家寶は我が家の家訓となりました。
 いつ目を通しても心に染みいります。


 当会の皆さんも、この言葉を深く心に刻み、堂々と人生を闊歩してほしいものだと思います。


 
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2017年9月11日月曜日

真の教養

 安岡正篤氏の著作の中に「真の教養」という一説がありますので紹介します。


 「およそ真の教養とは、人類の有する偉大な著作に親しむことによって得るものです。そこで昔から優れた定評のある良い書物を少しずつ読むことであります。

 人間としての教養の書、人としての哲学の書、修養の書というものを、注意して毎日たとえ三枚でも五枚でも、そういう書物を必ず読むようにする。いわゆる座右の書を持つことが必要です。」


 随分前にある有名な政治家にお会いしたことがありますが、その方が「私は本を読まない人物とは個人的にはお付き合いはしない。‥話が面白くない‥、時間がもったいない‥、云々」。
 きつい言葉ですが、まったくもってそのとおりだと思います。


 さて、私の座右の書は「易経」です。
 あとそのほか数冊‥。


 最近、めっぽう忙しいので、本当に少しずつですが時間を見つけては目を通してます。
 もう無理して読むことはしていません。
 楽しいから読んでいます(笑)


 武道というと、なんとなく「禅の書物」みたいな印象がありますが、これはほんの一部です。実は、研究者の間では、古来の武道家が一番多く座右の書としたものは易経だと言われています。


 この易経、いいですよ。
 宇宙の真理がこの一冊に詰まっています。


 全ての武道、全ての仕事、全ての方の人生等々に応用可能な書です。


 さぁ、お迎えまでにどれだけ理解できるのか楽しみです(笑)



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2017年9月4日月曜日

合気道とダーウィン

 先日、英国の博物学者であるチャールズ・ダーウィンの書のある一節を読んでいて、思わず「うっ」と唸ってしまいました。


 その一節とは?


 「生き残るのは、最も強い種でも、最も知的な種でもない。最も変化に対応できる種が生き残るのだ」 チャールズ・ダーウィン


 びっくりです。
 武術の極意ですよね。


 日本剣術的に云うと新陰流の「転」。


 今風では、「転位、転体、転技」というところでしょうか。


 狙った技は外されます。


 敵の攻撃に全て変化にて対応するのが「随敵」。


 具体的には、敵の攻撃を「転位、転体、転技」で対処します。


 身体だけでなく、心や考え方まで柔軟にして対処する。
 もちろん居着きは厳禁です。


 ‥合気道と同じですね。



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2017年8月28日月曜日

名人とは?

 名人とは?


 定義は様々あると思いますが、私の場合、下記の言葉を思い出します。


 「平常心をもって一切の事をなす人、是を名人と云ふ也」
               兵法家伝書 柳生宗矩


 荘子の包丁の話にも似ていて感心します。


 息をするように、歩むように、さらっと自然に技を施す。


 やはり「平常心是道」、


 武道は、精神の修養を第一とすべきだと思います。


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2017年8月21日月曜日

女優の北林谷栄さんの話

 先日、上京した折に電車の中でふと下記の話を思い出しました。


 それは、女優の北林谷栄さんの話。


 「私の祖母は、人に先がけて席を取ろうとしたら、きつくたしなめるような人だった」。


 私も同様の躾の家庭環境で育ったせいか、このような話には共感してしまいます。


 時代遅れ?
 そうかもしれませんね。


 今は、「〇〇ちゃん。あそこが空いてるよ。早く、早く」の時代。

 
 しかし、私の場合は、空いている席に座ろうとすると、両親から「子供は立っていなさい!」との理不尽なお言葉‥。


 子供の時分には分かりませんでしたが、今は分かる。


 このような考え方の国々ばかりであれば、紛争は起きないはずです。


 隣国の様子がきな臭く感じる今日この頃、少し考えさせられました。


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2017年8月14日月曜日

水鏡

 先日、ベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の著者、ノートルダム清心学園理事長である渡辺和子さんが、ノートルダムホールにある「水鏡」について説明されていました。


 「水鏡」とは、中央棟の前にある直径10mの水のオブジェのことです。


 キャンパス内の名所の一つのようで、「立ち止まって自己の内面を見つめてほしい」という願いを込めて創られたそうです。


<要旨>
 「この水鏡にお月様が映っていて、そのお月様がグラグラして見えるとする。それは、お月様が歪んでいるのではありません。水が波立っているのです。皆さんの心も同じです。心が波立っていては物事が正しく見えません。何か困ったことが起こった時、この水に自分の姿を映してよく考えてみなさい。あなたの心が歪んでいないか? 心が波立っていないか? 冷静になって、一歩引いて考えてみましょう。そうすると分かってきます。何もかも周りのせいにするのでなくて、あぁ、私自信も悪いのだって理解できます。」


 実は、この話に武道の極意が隠されています。
 いやいやこれは面白い!


 タイ捨流の極意の言葉である「水急不流月」にも通じます。


 キリスト教的表現と言うより、日本の禅的表現に近い気がしますが、キリスト教にも「心を鏡」と表現する場合があるのですね。それとも日本化したキリストの教えの表現なのでしょうか。


 やはり、宗教と日本武道の精神的境地は一致するようです。


 しかし、この水鏡、本物を見てみたい気がします。
 製作を企画された方は、どんな立派な方だったのでしょう。



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2017年8月7日月曜日

ツキを呼び込む魔法の言葉

 ベストセラーになった「ツキを呼び込む魔法の言葉」の著者である五日市剛氏のお話を紹介します。


 五日市さんが学生時代に海外を旅して回っていたところ、旅先のイスラエルで偶然出会ったおばあさんから、ある言葉を教わったそうです。


 その言葉が「ツキを呼び込む魔法の言葉」。


<魔法の言葉>
 ○嫌なことがおこったら「ありがとう」。
 ○嬉しいとき、楽しいときには「感謝します」。


 いやいや、これは単純だが奥が深いですぞ‥。


 使用方法も簡単です。
 この二つのありふれた言葉を、嫌なとき、そして、嬉しいときや楽しいときに自分自身につぶやくだけです。


 そうするといつの間にか「魔法の言葉」になっていくそうです。


<五日市剛氏講演録より>
「ピンチや嫌な出来事に感謝して呼吸を整えていくと、不思議とそれ以上、嫌な気分にはなりません。なぜかいい智恵がわいてきやすくなりますし、次の一手が浮かぶこともある。それをタイムリーに行動に移すと、どんなことでも意外と簡単に乗り越えられるようになるものです。

難題そのものに感謝して乗り越えると、それは大きな自信になります。すると精神的にも成長でき、同じミスは犯さなくなります。だから難があることは『有り難い』わけです。」


 「全ての物事に感謝せよ!」


 良く聞く言葉です。しかし、実行に移すにはなかなかたいへんですよね。


 中村天風氏の天風哲学「絶対積極」も同じです。最初からその境地にはなかなかたどり着けるものではありません。


 まずは、この辺りから少しずつ初めてみるのがよいのではないかと感じた次第です。


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