宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2016年11月14日月曜日

合気道と天風哲学7

 難解ですが、仏教哲学について少し書いてみますね。


 私の拙い文章力でどこまで伝えられるか分かりませんが、可能な限り分かりやすく解釈してみます。


 それではまず、先週の続きで「差別智」と「無差別智」の理解を…。


 『差別智とは?』
 普通の人が物事を認識し理解する能力。分別智(ふんべつち)とも言う。
 常に善と悪、有ると無い、陰と陽、○と×など、対立する概念で分析・区別して判断する普通の人の知恵のこと。


 『無差別智とは?』
 仏の智慧、無分別智(むふんべつち)とも言う。
 差別智を超越し、物事を正しく見る能力。ちなみに「仏とは、完全な智慧を得た者」のこと。簡単にいうと悟った人の智慧のこと。


 なお、無差別智は、上記が転じて直感的にひらめく智慧のことを指す場合もあります。


 さて、人間という生き物は、“基本的に”生きてきた過程、教育、親の考え方などで、善・悪、正・邪などの基準を徐々に身に着けていくものです。


 しかし、本来は、善・悪、正・邪など、これらに「実体はない」のです。
 ここが大事なポイント!


 その人の培ってきた価値観などがそれを善か悪か、正か邪に振り分けるだけなのです。
 よくある例としては、それらを「好き・嫌い」だけで判断している場合もありますね。


 それはさておき重要なのは、「実体がない」ことが「ピーン!!」と理解できた瞬間がいわゆる『悟りの瞬間』であり、かつ『無差別智に至った瞬間』だということなのです。


 「悟り」とは、本来は『「差」取り』の意味で、それまで、ただの現象だけでしかない物事に対して、善悪・正邪等々に分別(差)して判断していたものが、その瞬間から、物事をありのままに、そのままに見ることができるようになるということ。


 ここに触れ得た瞬間から、ようやく物事が正しく見えるようになるのです。


 それまでは、サングラス(自我のフィルター)をかけて物事を見ているような感じと言えば良いのか…。


 表現はイマイチかもしれませんが、まぁ、遠からずだと思います。


‥つづく


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