宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2017年10月30日月曜日

未萌に極意あり

 「愚者は成時に闇く(くらく)、智者は未萌(みほう)に見る」 戦国策


 「愚かな者とは、悪い物事が起こってきた段階でも、まだ気づかない人物であり、智慧のある者とは、まだ兆し(萌し)が起こった段階であらかじめ察知し、最適な対策を講じることができる人物のことですよ」…という意味でしょう。


 私がよく「高橋師範の名前の『暁』に極意があるんだよ」というのはこの理由からです。


 未萌に見るとは、言わば危険察知能力。
 厳しい実社会を安全に生き抜くためには大事なことです…。


 参考までに「合気とは、敵の仕掛ける技を未然に察知できる能力のことだ」と説明する古武道家もいらっしゃいます。


 確かに敵の仕掛ける技が未然に察知できれば、これに越したことはありませんね。


 なお、この「智者は未萌に見る」は元来、武道家の徳の一つとして重要視されてきたものです。


 さて、社会生活上では、
1.「何となく気になる。または、何となくそんな感じがする」、
2.「自然と周囲から自然とある方向性へ誘導されている」
 …が羅針盤です。


 もちろん、これには空気が読める以上の感覚(嗅覚?)が前提になります。


 このことが理解できる精神状態で、この事実に確信が持てた場合にようやく「見えないものへの感謝」や「おかげさま」の意味が理解できるようになり真の信仰心が生じます。


 このうえで始めて、「智者は未萌に見る」ことが可能になるようです。


 何も宗教の話をしているのではありません(笑)


 古今東西の「覚者」と言われてきた人には、当然のこととして生じる事実ですし、「このことなくして大成することはない」と喝破する空手家も存在します。


 合気道開祖植芝盛平先生の神業も「未萌に見る」ことなくしては不可能でしょう。


【リンク】
◇宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」

◇合気道元徳会ブログ「合気の舞」

◇合気道元徳会道場長コラム「サムライハート」

◇Youtube「Aikido Gentokukai」チャンネル

2017年10月23日月曜日

人はすべからく事上に在って磨くべし

 さて、「人須磨在事上」、
 人はすべからく事上に在って磨くべし 伝習録


 社会生活上、仕事など日々の実践を通じて自分を磨きなさい!
 …という意味だと思います。


 学問、つまり知識だけでは、なかなか生きた知恵が身に付かない…、
 知識を見識に変えていくには、学問と並行して社会生活上での実践で鍛えなければならない…、そして、実践で鍛えに鍛えて、ようやく真理が肚に納まる…、これを胆識とよぶのでしょう。


 生兵法は怪我の元、そして付け焼刃は役にたたない…。
 実践で磨かれてこそ、知識も人間も本物に近づけるのだと思います。


 伝習録は、「知行合一」を説いた王陽明の本です。
 敬愛する西郷隆盛さんも愛読したとのことから、20代前半に取り組んではみましたが…、これが、なかなか難儀した記憶があります。


 …が、最近、久しぶりに手にとってみると内容がよく理解できる気がするのは勘違い?
でしょうか(笑)


 不思議なものです。


【リンク】
◇宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」

◇合気道元徳会ブログ「合気の舞」

◇合気道元徳会道場長コラム「サムライハート」

◇Youtube「Aikido Gentokukai」チャンネル

2017年10月16日月曜日

会津八一

 新潟県出身の歌人で美術史家、そして、書家でもあった会津八一という方がいらっしゃいます。


 その方が書について、下記のように語っているそうです。


 「芸術として書くからには、字さえ上手に書けば何でもいいというわけにはいかない。その中に盛ってある思想も感情も、まず自分のものでなければいけない。自作でないにしても、自分で本当に感動したものでなければならない。」


 武道、そして合気道も同じだと思います…。



 言い尽くされた言葉ですが、やはり“中身が大事”ですね。


【リンク】
◇宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」

◇合気道元徳会ブログ「合気の舞」

◇合気道元徳会道場長コラム「サムライハート」

◇Youtube「Aikido Gentokukai」チャンネル

2017年10月9日月曜日

西郷隆盛十訓

 
 西郷どんは、隣県の英雄!!
 修学旅行では、今でも鹿児島市で西郷さんの銅像を見学するそうです。


 来年のNHK大河ドラマが楽しみですね。
 



 さて先日、西郷さんの子孫の方がある雑誌で、家に伝わる訓えについて解説されていましたので紹介いたしますが、棘の多い門松を数多くくぐってきた苦労人だけあって実に味があります。



『西郷隆盛十の「訓え」』

 一 迷ったときは、「損得」でなく「善悪」で判断せよ

 二 「正道」を行ない、それを楽しめ

 三 「分をわきまえる」ほど、強くなる

 四 「勇気」だけは、誰にも負けてはならない

 五 理不尽は理不尽のままでよい。自分が理不尽なことをせねばよい

 六 「恩」は返せ。「恨み」は晴らせ

 七 「当たり前」とは、不測の事態が起こること

 八 自分を大事にしすぎるな。すべての悪事はそこから生じる

 九 恥は堂々とかけばいい

 十 「天」に問え


 「一」は、実に感じ入りますね‥。
 私自身、どうしても物事を合理的に判断してしまう性質で、困ったことになかなかこうはいきません。後天的修養が必要ですね。


 「四」は、豪傑・大度量と言われた西郷さんが、「勇気」をあえて十訓に加えたとすれば、豪傑と呼ばれたその大胆さは、きっと勇気を振り絞った証だったとも考えられますね。逆に勇気がもらえた気がします。


 「五」は、実に味がありますね。
 西郷さんも、理不尽で嫌な思いを多々体験させられたのでしょうね。対応方法は、確かにこれしかない気がします。


 「十」は、ずっとやっています。癖になっていると言えばよいのか‥。
 これだけは大丈夫そうです。


 時代は変わろうとも、変わらない真理がある。
 実によい「訓え」だと感じましたが、皆さん、いかがですか。



 【リンク】
◇宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」
https://sites.google.com/site/gentokukai/

◇合気道元徳会ブログ「合気の舞」
http://gentokukai.blogspot.jp/

◇合気道元徳会道場長コラム「サムライハート」
http://aikido-gentokukai.blogspot.jp/

◇YouTube「Aikido Gentokukai」チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCs_Khixbq0eEYtQcD27Vdnw

◇YouTube「Ninja Martial Arts Taisha-ryu Kenpo」チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCCfJ3T5NdEIgHhCtWJCabbQ

◇合気道元徳会Instagram
https://www.instagram.com/aikido_gentokukai

2017年10月2日月曜日

素質を養う

 読み返した本の中の一節に面白い表現の文章がありました。


 「生まれて後に得る人間的な芸能知識というものは、むろん、人の一生を支配するものではあるが、世人の多くは、これらを得るということにのみ、直接、熱中して、これらを得ることができる素質を養うということを忘れている」。


 この本には解説は全くありませんので想像になりますが、「素質を養う」とは、人間性を養うことではないかと思います。


 いくら能力が高くても、勤勉さがなければ「二十歳過ぎればただの人」…。


 能力を得るための人間性、勤勉、実直、素直、根気等々…、
 この人間性を培うための努力がまずもって必要ではないかと思います。


 別の表現をすれば「徳を養う」という風にも言えるのでしょうか。


 「素質を養う」…、今年のテーマにします。


 【リンク】
◇宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」

◇合気道元徳会ブログ「合気の舞」

◇合気道元徳会道場長コラム「サムライハート」

◇Youtube「Aikido Gentokukai」チャンネル