宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2017年5月1日月曜日

ヒラリー・クリントン氏からのメッセージ

 番狂わせとは、まさにこのこと‥、トランプ氏が勝つはずはないと思い、当時は、ニュースさえ気にもとめていませんでした。


 ‥選挙とは、最後の最後まで分からないものですね。


 そんなことを感じたアメリカ大統領選でした。


 さて、ヒラリー・クリントン氏が敗北宣言の席で素晴らしい言葉を述べています。


 「憲法に基づく民主主義は、私たちの参加を求めます。4年に1度の選挙のときだけではありません。常に参加を求めているのです。だから、できることをやりましょう。私たちが大切にしている理念や価値を前に進めていくために。私たちの経済を富裕層だけでなく、みんなのものにするために。私たちの国を、私たちの地球を守るために‥」


 他にも素晴らしい言葉があったのですが、特に若者を鼓舞するメッセージが心に響きました。


 「皆さんに、特に若い人たちに聞いて欲しいんです。私は、自分が信じるもののために、生涯をかけて戦ってきました。勝ったことも、負けたこともあります。辛い思いもしました。あなたたちも、勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。負けることは辛い。でも、決して、信じることをやめないでください。権利を求めて戦うことは、価値のあることです。やるべき価値のあることなんです」


 「私たちは最も高い『ガラスの天井』を打ち破ることはできませんでした。でも、いつか誰かが打ち破るでしょう。そのときが、今、私たちが考えている以上に早いことを望みます。あなたは、価値がある存在で、しかも力強い。あなたの夢を実現する機会を追い求めるに値するんです。そのことを、決して疑わないで‥」


 私も、この言葉を若い道場生達に送りたいと考えます。



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2017年4月24日月曜日

ノーベル医学生理学賞 大隅良典教授の言葉

 2016年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典、東京工業大学栄誉教授(71)に決まりました。


 さて、先日、ニュースを見ていましたら、大隈教授のインタビューが流れていましたが、その言葉の一つ一つが味わい深く感じました。


 ‥ということから参考までに紹介します。


 「あんまり競争が好きではありませんので人がよってたかっていることをやるより人がやっていないことをやる方が楽しい。これはサイエンスのある意味では本質であると思っています」、


 「皆さんがあまり興味を持たなかった時代に、私はタンパク質の分解の研究を始めた。皆で寄ってたかってやることもサイエンスの一つの在り方だとは思う。しかしそれより、人がやっていないことをやる方が楽しいというのが本質みたいなものだ。誰が一番乗りするかを競うより、誰もやっていないことを見つける喜びの方が大事ではないか」、


 「一つだけ強調したいのは、私が研究を始めた時は『病気に役立つ』などと確信して始めたわけではない。基礎研究はそういうものだと認識してほしい」、


 「研究にゴールはない」、


 「オートファジーの仕組みの解明はまだ3合目で分からないことの方が多い。今後も若い人たちに問題提起を続けていく」、


 「静止画像では語れないもの。生命はいつもエネルギーを取り込み、自分の中を維持して初めて成立する。細胞の中で、構成要素が合成と分解などを繰り返して動き回っている。つまり、生命はダイナミックにしか存在しない。そのことの一つの側面がオートファジーだ。細胞の持つ基本的な性質であり、より解明が進むことを期待したい」、


 「私自身、もうちょっとオートファジーの生理学を究めたい。いまだに酵母にたくさんのことを問いかけている。それが動物細胞の理解につながってくれればいいなという思いで。若者には、自分で興味のある現象をやってもらい、新しい生物学を作ってほしい」、


 私は、このインタビューを聞いて、この受賞を機に実は「何かを訴えたかったのかな?」とも感じましたが、皆さんはどう思われたでしょうか。


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2017年4月17日月曜日

空手道と合気道2

 ちなみに先ほどの倉本師範の言葉。


問:先生の技を見ていると演武のような打撃だけではなく、合気のような動きも多いですよね。

倉本師範:合気道の選手もうちの塾にやって来ますが、「パンチなどでガンガン攻められると合気道の技術は使えない」ということを言ってくる。であれば、「なぜ使えるようにするための工夫をしないんだ?」というのが僕の考え方。僕は「合気は使えるよ」と教えてやる。そして打撃の中でどう合気道の技を使うかを実際にやって見せてあげる。要はみなさんがそこの領域まで行けていないわけです。


問:確かに残念ながら合気道は実戦では使えないみたいなイメージは存在します。

倉本師範:実際は使えるんです。使えないというのは相手と触れ合うときの「入り口」が見つからないんですね。


 ‥とのことです。参考まで。


 最後に、中村師範の言葉。


 「その人に哲学がなければ、武道をやっていてもしょうがない」。


 「自分が武道修行をやったことによって、いかにして社会の発展に貢献できるかどうかが全てだ。社会に貢献できないのなら、一人で山の中で突き蹴りをやればいい」。


 「実技と理論を並行して学べ。実技の伴わない理論は空理空論であり、技術だけに走っても進歩は遅く、いたずらに苦労を重ねるだけである」。


 「理より入る者は、技より入るものより一日の長あり。その技法を会得して後、手足の鍛錬をなすべきである」。


 「社会生活の理想は平和であり、争いはあくまで避けなければならない。しかし、現実の社会生活には、まだ多くの争いまたは障害が伴っている。世には正義の仮面をかぶって心に邪悪の剣をとり、道理を無視する者が個人間にも、団体間にも、国際間にもあとを絶たないものだ。現代の現実にあって正義を貫くには、どんな障害にも打ち勝つ強固な意志と気迫、臨機応変の機敏と沈着を必要とする。これらの諸徳は、死生を越えて真剣の勝負を競う武道修行によって最もよく養われるのである」。


 「身を護れ。相手を攻めようと思ったら自ら隙が出て、敵に乗じられるのである。身を護っていれば、相手の隙が自然に見えてくるのである」。


 中村師範の哲学を総合的に解釈すると、結局のところ「鍛えた肉体と精神をもって、いかにこの世の進化向上に寄与できるか」を求めていたように思われます。


 私も社会生活に生かせない武道に価値はないと思います。


 たいへん勉強になります。ありがとうございました。


‥終わり



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2017年4月10日月曜日

空手道と合気道1

 ちょうど4年ほど前になりますか。
 平成25年1月、空手道拳道会の中村日出夫師範が亡くなられたそうです。享年98歳。


 もちろん面識はありませんが、お弟子さんが書かれた書物を通じて、その圧倒的な実力は以前から耳にしていました。


 その高弟であり、現拳道会会長である石山圭師範が度々マスコミに取り上げられますが、その話される内容はたいへん含蓄に富んでいて考えさせられます。弟子がこれだけの方ですから、やはり中村氏もすごい人なのでしょう。


 高弟で極真館館長である盧山初男氏は、その強さ(長生き?)の秘密の一端として、常に体を温めていたことにあると明かしています。


 具体的には、体を冷やさないように稽古中でも熱いほうじ茶を飲んでいたとか‥。


 もちろん酒席では、冷たいビールなどは嗜まれたようですが、そのほかでは、温かい物しか決して召し上がらなかったそうです。


 さて、この中村師範。
 空手の裏技として、合気道のような投げ技と関節技のようなものを得意技としていて、裏技ができて空手家として一人前とおっしゃっていたようです。


 高弟であり現極真館館長である盧山初男氏が初めて中村先生と立ち会った時には、この裏技でコテンパンにやられたようで、「何とかしてこの裏技を盗もう」としたけどなかなか難しい技だったらしく「そうもいかなかった‥」と自伝に書かれています。



私も合気道家として、この技を解明したく元高弟で現脩己會最高師範である倉本成春氏のビデオ映像を通じて研究したのですが、裏技の動画は少なくなかなか研究が進みませんでした。

<参考>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%89%E6%9C%AC%E6%88%90%E6%98%A5


 ちなみにこの倉本師範も本物です。


 若い頃の砂袋鍛錬のビデオを所有しているのですが、本当に手が見えない‥、そして一撃一撃がすさまじいばかりの威力‥、まさに「びっくり映像」です。


 ビデオが加工されているわけではありません。
 きっと初動が速すぎるのでしょう。


 さて話は変わりますが、中村師範の追悼記事の写真の中になんと「八光流」と文字の入った帯が‥。


 んっ、なんと裏技の正体は八光流柔術?だったのでしょうか。
 もちろん空手に合うように独自の工夫は加えられたと思いますが‥、少し驚きました。


 ‥つづく



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2017年4月3日月曜日

日本建国の精神は「和」である‥

 「日本の建国精神は『和』である」と、作家の竹田恒泰氏が著書の中で述べています。


 この竹田氏は、明治天皇の玄孫(やしゃご)にあたるらしいので、その精神性を受け継いでらっしゃるのでしょうか。


 さて、この「和」、合気道の根本理念としても有名ですが、「大和(やまと)」等にも象徴されますように日本人に馴染みのある精神性だと思います。


 竹田氏の説く「和」とは、「自分ことは後回しにする精神」であり、「日本国民は、その和の精神によって統合されている」と述べています。


 ‥ここで思うのが、「働く」ということ。


 諸説あるのですが、「働く」の語源は「傍(はた)を楽にする」こと、‥だと言われています。


 「はた」というのは他人のこと。


 自分以外の人の負担を軽くしてあげることですね。


 しかし、何のために働くのか? と問われると、「お金のため」、「自己実現」等々、自分の利益追求が主だと思います。


 否定はしません。そのとおりです。


 生まれたからには、生きていかなければならない。


 しかし、どこかに「人の役に立ちたい」という気持ちも心の片隅に持っているのではないかと思います。


 「和の精神」と「人の役に立ちたいという気持ち」‥、連動させればもっとよい社会になるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。

 
 日本人は元来、「誇りと恥」を大事にしてきた民族。


 自己満足追求型の仕事は続けられません。


 ひょっとして、そこに「誇り」が生まれないからかもしれませんね。



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2017年3月27日月曜日

持田盛二師範遺訓

 久しぶりに尊敬する剣道家の持田盛二師範の遺訓を読み返してみました。


 ふと思い出しては、読み返していますが、改めてその素晴らしさを感じます。


 合気道家の皆さんにも関係がありますので、特に参考になりそうなところを紹介します。


 なお、これは西都道場で稽古されている本田先生(剣道七段)よりいただいた資料から抜粋したものです。


 本田先生、ありがとうございました。


 「剣道は五十歳までは基礎を一生懸命勉強して、自分のものにしなくてはならない。


 普通基礎というと、初心者のうちに修得してしまったと思っているが、これは大変な間違いであって、そのため基礎を頭の中にしまい込んだままの人が非常に多い。


 私は剣道の基礎を体で覚えるのに五十年かかった。


 私の剣道は五十を過ぎてから本当の修行に入った。心で剣道しようとしたからである。
六十歳になると足腰が弱くなる。この弱さを補うのは心である。心を働かして弱点を強くするように努めた。


 七十歳になると身体全体が弱くなる。こんどは心を動かさない修行をした。心が動かなくなれば、相手の心がこちらの鏡に映ってくる。心を静かに動かされないよう努めた。


 八十歳になると心は動かなくなった。だが時々雑念が入る。心の中に雑念を入れないように修行している」
 持田盛二先生遺訓より



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2017年3月20日月曜日

合気道と天風哲学24(最終)

 ようやく最後になりました(笑)


 今まで紹介した内容より深い内容を記したい思いはあるのですが、キリがありませんのでこの辺で終了いたします。


 さて私は、学生時代に事業に失敗して全てを失っての逃亡生活‥、その後は何をやってもうまくいかないことから、サーフボードを片手に海外・国内を問わず各地を転々としていた時期があります。


 他人の目には、きっと風来坊の遊び人に見えたことでしょう。


 決して、その頃の私を肯定するわけではありませんが、そうするしか生きる手段が無かったように思います。


 苦しくて、苦しくて、本当に発狂寸前‥、そうでもしていないと、気が狂いそうだったのです。


 その頃でしょうか。天風哲学を知りました。


 まだ、その時代は書店で中村天風師の本は紹介本程度しか手にすることはできず、中村氏本人による著作本は天風会に入会しないと購入できませんでした。




 なけなしのお金で天風会に入会し、少しずつ全ての本を購入し、むさぼるように読み漁りました。


 結果、大海原でもがき続けていた私にどこからか浮き輪が飛んできたような気分‥、本当に「ありがたかった」です。‥でも決してこれだけで救われたわけではありません。


 しかし、とりあえず生きるために最低限のものを与えられたという感じ‥と言えば理解してもらえるでしょうか。


 それから、先述した「観念要素の更改法」を中心に毎日事細かに実践しました。


 もちろんすぐに効果は表れません。それでも毎日実践‥。


 そうすると、ふとした或る日、笑顔で冗談を言っている自分に気が付きました。


 その瞬間、「あっ‥!?」、現在の幸や不幸は過去のその人自身の心と行動等に原因があること‥など、この世には一貫した永久不変の天地の理(自然界の法則)が存在することを直感しました。そして同時に、その原理に基づいた正しい生き方があることに開眼しました。


 そして、それまでの生活を全て見直し、規則正しい生活と読書三昧を送り、もちろん天風哲学を実践しました。「よく続けることができた?」、いやいや元の状態に戻るのが恐ろしくて続けざるをえなかったのが真相です(笑)


 その後、高橋師範に師事した際に師範が影響を受けた本の話をしてくれましたが、それは、中村天風著「真人生の探求」でした。びっくりしました。


 何でも合気道研心会の畑山師範より譲り受けたそうです。


 また、合気道小林道場の小林弘明師範より、中村天風氏の音声入りの講和集のCDをいただきましたが、総師範である小林保雄師範も天風会の会員だと後で知りました。


 高橋師範を始め、関係する師範方は、天風哲学の実践者だったのです。


 不思議な縁を感じます。


 また、高橋師範とは、神道夢想流杖術の師範(東京在住)が同じであったり、‥輪をかけて不思議な縁を感じます。


 最後になりますが、古人曰く、「人は、それぞれに応じた舞を舞って人生を終える‥」とか、現在も他の道(武道ではない)への転身のお誘いを受けることがありますが、経験上、あまり向いている道とは思えず‥、きちんとお話し、お断りさせていただいています。


 所縁から察するに、私は「合気の舞」を舞いつつ人生を終えるしかなさそうです。


 さて、次回からは、別の話題にします。


 長い連載になった「合気道と天風哲学」を読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。


…終わり


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