宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2016年3月28日月曜日

八卦掌と意拳、そして合気道(上)

 中国武術に八卦掌と意拳という新しい拳法があります。


<参考>
八卦掌
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%8D%A6%E6%8E%8C
意拳
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%8F%E6%8B%B3


 特に学んだわけではないのですが、なぜかこの二つの流派に惹かれ研究を続けてきました。


 さて、この二つの流派の共通点が面白い。


 「型(形・套路)がない」のです。


 こう書くと「八卦掌はあのくるくる回る有名な型があるじゃないか?」と言われてしまいそうですね。


 でも本質は「型がない!」のです。


 八卦掌の各流派を比較したことがある方ならご理解いただけると思うのですが、創始者董海川から学び伝えたという型が円周上を歩くという共通点以外は全くと言っていいほど異なっているのです。


 代表的な八母掌という8本の型は、かろうじて1本目と2本目は似ている場合もありますが、3本目以降はまったくのバラバラです。


 解き明かす鍵は、同じく「合気道には型がない」と言った合気道開祖の武術の本質論に行き着くようです。


 しかし、こう言うと、「合気道には、いつもやっているたくさんの型があるじゃないか!」


 ‥とお叱りを受けそうですが、本質的には型はなく「理合」しかありません‥。私はそう思っています。


 理合とは道理です。
 

 他の表現では、「勝つ道理、勝つ法則」のこと。


 合気道の技術の一つひとつは、あくまでその理合の表現でしかありません。
 

 このため、昔の師範の技は「同じ人にならったと思えないほどバラバラ」で、凄く個性的ですね。


 しかし、最近は本部系統の動きが多くなっているので、それぞれの師範系列独特の個性は失われつつあるようです。


 少し寂しい気もしますが、個性とは一つの癖でもありますので、このことが「良いことなのか? 悪いことなのか?」と聞かれるとて少々難しい問題だと思います。


 よく「合気道は剣から生まれた」、「合気道は剣と槍の動き」、「合気道は剣を持てば剣、杖を持てば杖、あらゆる武の再現が可能である」等々、剣などの武器術についての共通性が語られます。


 基本的に日本武術は、剣の身体運動を機軸に展開してきたので、もちろん動きは似ています。


 ‥がしかし、合気道の動きの「全て」が武器術の動きと一致しているとは思えません。


 以上のような理由から先進的な師範方が「剣・杖の型」などを合気道の身体運動から開発したり、他の武道(居合、神道夢想流など)を取り入れたりして疑問点を無くそうと努力されています。


 面白い取り組みですよね。


 私も各師範の講習会等に参加して学んだことがありますが、解釈も個性的でたいへん勉強になりました。


 しかし、何かしっくりしない自分がいました。
 違和感と言っていいかもしれません。


 その後、私も様々な古武道を学び剣・槍・その他の武器術を学びましたが、合気道と一致する部分もあれば、そうでない部分も多く、正直、迷いました。


 しかし、境地が高いといわれる古武道流派(剣・槍など)との共通点はやはりある。


 それは「理合」です。


 勝つ道理だけは共通しています。


 このようなことから、合気道は剣の身体運動から生まれたのではなく「合気道は、日本武道の粋である剣と槍の理合から生まれた」というのが正しい表現ではないかと考えています。
 

 結局、合気道というものは「理合だけの武術である」というのが私の考えです。


‥つづく



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2016年3月22日火曜日

喜び

 この前、「嬉しいことといったら何?」


 …と聞かれて、


 「今の心境では、『新たな刺激』なのかな…」と答えました。


 決していい加減に答えたわけではありません。
 きっと感動するようなことに巡り合うことが少なくなったからだと思います。


 この新たな刺激とは、例えて言えば、「考えても見なかった新たな視点を与えられたような時」です。


 最近では、中国武術の八卦掌の本を何気なく読んでいたら、通常の武術では、「我 →← 敵」の関係だが、八卦掌の場合は「我」の心身を相手に限りなく「敵」に合わせていくことで、「我と敵との関係が無くなる‥」と台湾の武術家が話されていました。


 「んっ‥、これって合気道?」


 魂が喜ぶ(震える)瞬間と言えばよいのか?


 こういう瞬間が一番嬉しいです。

 
 うっ、まずい‥、書いていて恥ずかしくなりました。


 ‥自分は相当な変わり者なのでしょうね(笑)


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2016年3月7日月曜日

良いことをやりすぎるのは悪いこと‥

 中国語のことわざで、「うー ちぃ びぃ ふぁん」。


 どんな字を書くのか分かりません(笑)


 意味は、「良いことをやりすぎるのは悪いこと‥」だそうです。


 納得!


 確かにそういう場合もありますね。


 少し考えさせられました。






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2016年2月29日月曜日

易筋経

 私が大事にしている呼吸法の一つに「易筋経」があります。


 はじめは中国拳法を学んでいた先輩から教わりましたが、その後は、興味にまかせて様々な流派を独自に研究してきました。


 この易筋経(えききんきょう)は、達磨によってインドからもたらされたと伝えられる健康法ですが、ゆっくりとした腹式呼吸による深呼吸と、それに合わせて行う運動により、筋肉と内臓を鍛錬し、体調をより良く整える効能があると言われています。


 また、少林寺の僧侶が健身のために武術を修練して質を高め、最終的に武術の鍛錬方法として到達し、清代には、易筋経を手に入れるため、武術の各流派は互いに戦って殺しあったとか‥。


 健康法としての効能は、筋力の増強、内臓の強化、心肺機能の強化、神経系統の安定、更には、姿勢が良くなる、血流がスムーズに、集中力が高まる、運動競技力の向等々、様々な効果があると言われています。


 それはさておき、「本物の武術気功を体感できる」との表題で以下の文がありましたので参考までに紹介します。



 「若かりし頃(二十歳くらい)、たまたま本書を手にして序文の気功に関する文章にすっかり陶酔し、本書に記されている易筋経、十二段錦などを日々実践した。当時まだ学生で暇だったので、鍛えているうちにすっかりブルース・リーのような体つき・性格になったのを覚えています。


 易筋経は、主に体を鍛えるための体操で、ボディビルダーのようなスピードの遅い”重たい”筋肉を作るのではなく、カンフーのようにスピードと”気”が入ったパンチを出せるようになります。また、格闘技やスポーツ、力仕事の時に効率的な体の動きが無意識に出来るようになります。気が満ちて喧嘩っ早い性格になってしまうので、一般のサラリーマンのような方がフィットネス気分でやる場合には、ハマリ過ぎないように気をつけた方がいいでしょう。鬱っぽい人や慢性疲労で悩んでいる人は、少し易筋経でリフレッシュすれば、気分がサッパリして気が充実し、若々しい気分を取り戻せます。


 いずれにしても、この本の内容のエクササイズが、日本国内で一般向けに伝えられている、ただゆっくり動いて呼吸したりする気功とは決定的に違うところは、”呼吸圧迫”を利用して気を押し流して鍛錬することかと思います。格闘技や武術に詳しくないので、その方面で当たり前の術なのかどうかは知りませんが、一般の方がこの本の易筋経の鍛錬などをはじめたら、本当にすぐにうつ病など吹っ飛んでしまうのではないかと思うような精悍な精神とキレのある体を得ることが出来るように思えます」。


 「この易筋経によりかなり体が鍛えられていたときには、何かにぶつかったり、尖ったものが肌に刺さったりしても、痛みが『痛い!』という感覚ではなく、単なる強い刺激が来た!という感覚に変わり、痛くないのです。単なる刺激なので、痛みが尾を引きません。また、ケガで出血してかさぶたになっても、子供の頃のように傷口の治りが早かったのを覚えています。


 この辺りは、気骨の無い平凡な現代青年でも易筋経で鍛錬するだけでここまで肉体と精神をきたえることが出来てしまうというのは、まさに少林寺最高峰の秘伝の鍛錬法なのではないかと思っています。


 そして、この本で紹介されている易筋経は、著者自身もかなりの中国武術の達人ですし、本格的に鍛えればかなりの域に達することができそうですので、少林寺秘伝の本物の方法に近いのではないかと思っています」



 ‥まぁ、「少し大げさ」かもしれませんが、大枠ではそのとおりだと思います。


 次に気功導引法という書物に易筋経についての説明がありますので抜粋して紹介します。


 ちなみにこの本は中古で現在28,000円(amazon)‥、凄いですね。




気功導引法より

 「易筋経は、少林拳のような外家拳法の気功を開拓するのに最も効果的な気功法である。易筋経を日課として一年間も続けると、力を出す時に思わず気が局部に集結されて気功の威力を発揮することができるようになる。


 また、万病不可侵の体になるだけではなく均整のとれた体格を作り上げてくれる。易筋経で鍛え上げた筋肉は、美容のためだけではなく格闘技で迅速な動作と強力なパンチを約束してくれる。


 易筋経は、筋肉・骨格を改善する気功体操として発育盛りの青少年にとって最も貴重な健身術である。青少年が易筋経を日課として半年も続けると歩く時に肩で風を切り、ズボンの裾が風を巻き起こすような感じを人に与える。虚弱な児童が易筋経を日課として一年も続けるとすっかり丈夫な体質に生まれ変わってくる。


 中年になってから易筋経の練習を始めると女性は『まだまだ若い』と体で感じてくるし、男性は倦怠感がすっかり消え失せて鬱病と全く縁のない体質になってしまう。


 しかも易筋経の十二種類の動作は七分間で全部が終わるし、動作が非常に簡単で本書の図解写真を見て誰でもすぐ習得できるうえ、練習する場所はタタミ一枚の面積で足りるので、特に高く評価をしたいものである」


 「足腰がだるい、肩に力がない、元気がない時に易筋経を一通り行うとすぐさま元気いっぱいの様相になってくる。


 中年に入って常に倦怠感を感じる人が易筋経を日課として一ヶ月も続けるとすっかり元気になり、三ヶ月も続けると若返ったことを体で感じてくる。


 治りにくいと言われている鬱病を治すのに易筋経は最も優れた効果を持つ。


 虚弱な感じを他人に与える青少年が易筋経を一年ぐらい日課として続けると、骨格・筋肉と目の光がすっかり変わってくる。特に力が強くなることに本人も友人たちも驚くものである。


 長年易筋経に親しんでいると易筋経は全身に気を張りめぐらすために巧妙に設計された気功法だと感じてくる。


 仕事をしても運動をしても勉強をしてもすぐに疲れる人は、気力がない人である。易筋経はこのような人を立ち上がらせるために設計されたことを強調したい‥」



 実際に“基本どおり”にきっちり行えば、力がみなぎってくる感じが生じ、活力を生じる呼吸法です。


 どんなに疲れていても、早朝に易筋経を行うと「よし! やるか!」という気になるから不思議なものです。


 また、この呼吸法を続けると、筋肉がゴムになって、グニグニ引き延ばしたり縮めたりしているような感覚が生じます。これも不思議ですね。


 ただの呼吸法ではなく、しかも筋トレでもない、「筋・腱伸ばし呼吸法」という表現が適当なのかもしれません。


 最後に‥、気功法や呼吸法の共通点として、我流ではなく「正しく正確に行うことが必要」です。
 そうでないとただの呼吸と同じで、ひどい場合には、逆効果で悪影響が生じます。


 正しい方法をキッチリ学びましょう。
 正しい効果は、正しい方法からしか生じません。


 この呼吸法は財産です。
 しっかり身につけて離さないようにしましょう。


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2016年2月22日月曜日

梅干し番茶のススメ

 正月、新年会と飲み会等が引き続いて疲労が溜まっていませんか?

 暴飲暴食で、血液、内臓の調子が悪くありませんか?

 そんな時には、空きっ腹に「梅干し番茶」! をオススメします。
 まぁ聞いてください。

 ところで、政界・財界・皇室までもが頼りにしており、戦後の歴代総理大臣に「日本の黒幕はだれか?」と聞けばほとんどの首相が名前を挙げたという大人物…、安岡正篤氏をご存知ですか。


<参考>
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%B2%A1%E6%AD%A3%E7%AF%A4


 その方が薦める養生法が「梅干し番茶」!
 体調の優れない時、健康維持にオススメします。



 安岡正篤氏は、幼少の頃から体が弱く、母に幼いころから梅干し番茶を飲まされて健康を保ったということから、講演等で梅干し番茶の効能についてよく話されたようですが、下記に詳しいので抜粋して紹介します。


<抜粋>
― 梅干し番茶について ―
 たとえば、朝、我々が学校へ行こうと思うと、母が「梅干に番茶を注いで飲んで行けといって、その中に醤油を少し落としてくれます」、それを初めは旧弊なものには困ると考えていたものであった。ところが、ちょうどその頃、奈良に漢方の名医がありましたが、私があるときこの先生のところへ行って梅干のことについていろいろ話を伺ったが、先生から、梅干は「医者殺し」といわれるほど有難いものだと聞いた。東洋の学問と同じことで、東洋の人はあまり説明を好まない。

 結論だけを言う。西洋の人は道程だけを言って結論を言わない。先生は梅干を「医者殺し」と言ったが、その頃はおかしいことだと思ったけれども、今日になって考えてみると、全くです。梅干は医者殺しで、これを食べると、医者の商売は上がったりになる。近年、梅干の研究報告がだんだん出ますが、実行して感心します。梅干は胃腸を消毒し、肝腎や心臓を強くする。したがって眼をはっきりさせる。特に頭の毛を黒くし禿げを防ぐというと、ちょっとおだやかでないが、とにかく甚だ効能がある…。

 「運命を創る」安岡正篤(プレジデント社)より


 この安岡正篤氏、朝食前に梅干番茶をかかさず飲んでいたそうです。

 子供の時に祖母から教わり、健康維持のためにずっと続けていたとか…。

 ちなみに作り方と飲み方はいたって簡単!

 梅干(肉が厚くて古いほど良い)を湯呑に入れ番茶を注ぎ、無添加の醤油(数滴~大さじ1杯程度)をお好みで入れて、梅干しをつぶしながら暖かいうちに飲むだけ。なお、醤油は入れない人も多いらしいです。


 梅干しは、化学調味料等は入っていない物がオススメです。
 化学調味料が入っているものでやってみると分かりますが、‥なんか変な味(笑)がします。昔ながらの作り方の梅干しがベストです。

 飲むタイミングは、起床時、若しくは朝食前に飲むのが良いようです。
 どちらにしろ空きっ腹が一番のようです。

 ちなみに私は、醤油は入れていません。以前、手造りで無添加の醤油を購入し試してみたのですが、どうも口に合わず不味く感じますので止めました。

 また、本物の番茶(三年番茶とか)がよいのかもしれませんが、私は普通の緑茶を使用して無理しない程度に続けています。

 さらには、昆布茶があれば少し加えるとより美味しくいただけます。
 人によっては、昆布を1㎝角にカットしたものを加えたり、えびすめを入れたりと色々と工夫されているようです。

 不味いと続かないので、効果が減らない程度に自分流に工夫されるとよいかもしれません。

 なお、安岡氏を真似て、酒食の多い歴代総理を始めとする政治家・経済人はこれで健康を保っていたようで、以前、政治家小沢一郎氏の元秘書が書いた「悪党 小沢一郎に仕えて」(朝日新聞出版)を読みましたが、小沢氏も起き抜けに必ず「梅干し番茶」を飲んでいることが記されていました。

 最後に梅の効能について、

 梅の効能として、主なものとして、動脈硬化の抑制、血液浄化作用、抗酸化活性作用、疲労回復、胃癌予防、高血圧の抑制etc.…、が挙げられるようです。

<参考>
http://www.umekounou.com/effect/
http://www.healthy-mylife.com/shokuhin/archives/2006/12/post_99.html

 さて、安岡正篤氏は、「梅干の酸は胃に入ると胃の酸化を防ぎ、全身が弱アルカリ性になる。仮にがん細胞が体の中に入ったとしても、体が弱アルカリ性であれば、全く作用しない。だから毎朝梅干番茶をやっておれば、癌だの、何だの、といって心配する必要は少しもない!」と言い切っています。

 なお、安岡氏は、「梅干番茶にはノーベル賞の副賞くらい出しても良い」と絶賛しているとか。

 まぁ理屈はこれくらいにして、起床時に熱々を飲んでみてください。

 こんなに美味い♪飲み物はありませんよ。
 特に酒を飲んだ翌朝は、身体に深く染みわたります。

 若い方には、分かりにくい味かもしれませんが癖になりますよ。

 癖になったらこっちのもの…。

 梅干しで予防医学、ぜひ試してみてください。



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2016年2月15日月曜日

意思あるところに道は開ける

 映画「ビリギャル」を観ました(笑)


 私のような年齢の者が見る映画ではないかもしれませんが、分かりやすいストーリーで好感が持てました。面白かったです。
 受験組のモチベーションを上げるには良い映画ではないかと思いました。

 しかし、当会にも大学と高校の受験生が数名在籍していますので、単なる娯楽映画とも思えず(笑)、多少は緊張感を覚えました。みんな頑張っているかな‥。

 さて今回、心の琴線に触れたのは、

 「Where there's a will, there's a way」
 (意志あるところに道は開ける)

 リンカーンの名言。
 学生時代、政治家を目指していた友人が好きだった言葉です。
 久しぶりに思い出しました。

 受験のため休会しているみんなは、このコラムを見ている暇はないでしょうが‥、きっと、あともうひと踏ん張りです。

 後悔しないよう最善を尽くしてください。

 楽しみながらガンバレ!!



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2016年2月8日月曜日

職人技の秘訣は鍛錬(福島県郡山市の三春人形職人)

 福島県郡山市に「三春人形」という張り子の人形がありますが、随分前にテレビでその姿を拝見し一目惚れ‥、その粋で洒落た姿にどんな方が作っているのか興味を持ちました。

 この人形は、江戸時代に三春藩で作り始められたそうで、歌舞伎の演目や風俗などを張り子の技を駆使して写実的に表現されており、江戸時代には藩主の庇護のもと、芸術の域に達した作品が数々作られて幕府や他藩への贈答品にもなったとのこと。現在まで、縁起物として古くから親しまれてきたようです。


 調べてみると、江戸時代から、作り手は城下町を離れて普段は農業を営む郷士達だったようで、草深い田舎でこのように粋で洒落た人形がどうして誕生したのか不思議に思っていました。

 さて先日、その三春人形の職人で16代目橋本アサさん(94歳)が、今も現役の職人として紹介されていました。

 17代目の息子(69歳)が、お世辞抜きで今も敵わないというこのおばあちゃんの元気の秘訣は「鍛錬!」、そして「毎日の体操」と語る‥。



 作業の合間に握力を鍛えたり、体操したりされているそうです。
その結果、「元気なんだ。どこも痛くない‥」、とのこと。映像のその顔も血色がよく確かに若い!

 「(鍛錬・体操を)毎日してんだよ。忘れないんだよ。座ってでもできっから、今日は面倒くさいな、疲れているなと思ってもやらなくちゃ‥」。


 我々の世界の鍛錬では、大東流の佐川幸義氏が有名ですが、やはり晩年まで神技を披露されていました。

 「身体は消耗品」、‥と考えてしまうと、できるだけ身体を壊さないように「適度な運動以外はやらないほうがいいのかもしれないなぁ‥」と思ってしまいますが、どうも違うようです。

 「積極的に鍛える」、この姿勢が大事な気がします。
 維持しようとするのではなく「鍛える」!

 結局、この「気力」が最後にものをいうのかもしれません。



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