合気道で言えば、例えば「小手返し」という技(料理)があるとすれば、指導者が構え方、手の握り方、体捌き、ステップなどの基本レシピを伝えます。
古武道で言えば、型(料理)があるとすれば、指導者が一つ一つ構え方から剣の握り方、重心の位置、歩法などの基本レシピを伝えます。
そのレシピの良し悪し、若しくは伝え方で門弟の技術に優劣が生じる。
しかしながら、料理の“味を盗む”と同じで、武道界では、“技を盗む”と表現するように基本的なことを学んだら、心法、コツ、力の入れ方・抜き方などは自得しなければなりません。
自得するほうがよいのです。
いや、「するべきだ!」と言うべきかもしれません。
自得するためには、なぜこうなるのか?
‥など、自分自身で考える癖や見る目を養わなければならず、その解決のために勉強し、稽古方法を編み出す。
そして、自分の心身に応じた技を身に着けていく‥。
自得するには、自己流では難しいし時間がかかります。やはり師の身近にいて学ぶことが最短距離だと思います。
‥料理人の世界と全く同じですね。
‥ということは、料理人と同じように私たち武道人も、自身の技のレシピを大事にするのはもちろんのこと、「レシピを改良(改善?)し続ける」作業も必要でしょう。
また、新たな料理(技)を編み出すことを常に念頭に置いておき、伝統的レシピを元に常に半歩革新していくことが求められます。もちろん音楽家や書道家などの芸術の世界でも全く同じですね。
楽譜などを元に学び、最後に自身の生き様なども含めたその人独自の表現を模索する‥。
全く同じです。
伝統を守り続けるだけではなく、常に半歩革新していく心構え‥。
易経で言うところの「不易流行」。
こうしなければ、どの世界も生き残ることができないのかもしれません。
どうもこの世界は、「進化、そして向上」の伴わないものは、「自然に消え去るという法則」が存在するように思います。
きっと、これも宇宙の意思なのでしょうね。
‥終わり
【リンク】
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