宮崎県西都市を中心に活動している宮崎合気道会グループ「合気道元徳会」道場長による武道コラム - サムライハートSamurai Heart。私達は、合気道の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと考えています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。詳細は、合気道元徳会のホームページをご覧ください。

2017年12月18日月曜日

ジャッキーチェンの呪縛2

‥前回からのつづき


 私は小学生の頃、暗い映画館で一日中、ジャッキーチェンの映画を見ていました。
 私にとって映画の中の彼が憧れの存在だったのです。


 気がつくといつの間にやら、私の男としての理想像は、「肉体的にも精神的に強く、そして、真っ直ぐな正義感の持ち主、それに、楽しく、優しい人間性の持ち主」になっていた‥。つまるところ、まさに映画で見るジャッキーチェンだ。


 そして、当会の子供の理想像として、「気は優しくて力持ち」を掲げている。うっ、まさに映画の中のジャッキーチェンじゃないか。


 確かに理不尽な事を目にすると映画「プロジェクトA」の音楽がいつの間にか脳裏に流れてくる‥(笑) 普段は楽しく温和な性格‥だと思っていますが、理不尽なことを目にすると誰彼構わず注意してしまう自分がいる‥。


 昔からそうだ。
 意地悪な人、弱い者いじめをする人、立場を利用して威張る人などを見ると「プロジェクトA」の音楽が脳裏に流れてくる(笑)


 ‥というより、それを見逃したら、自分に対して何か気持ち悪いのが本音‥、許せない自分がいる。そして、きっと一緒に行動している者には迷惑をかけているはずだが、実はまったく反省していない自分がいる‥(笑)


 やはり、ジャッキーチェンの洗脳による呪縛だ。間違いない(笑)


 さて、前置きが長くなりましたが、幼少の頃に自身の目標とする人物像を持つのは大事だと思います。身近な人がよいと思いますが、いなければ歴史上の人物に学ぶべきだと思います。


 よく「尊敬する人はお父さん‥」、みたいな一般受けや好感度を狙ったいろんな意味で軽めの回答を聞きますが、私自身は気に入らない(笑) 理想は高くしてほしい。


 この件について、日本の黒幕と呼ばれた陽明学者の安岡正篤先生は、下記のように述べています。


 「人物学を修める上において、ここに捨てることの出来ない見逃すことの出来ない二つの秘訣がある。 それは極めて明瞭であって、第一に人物に学ぶことであります。つまり吾々の、出来るならば同時代、遡って古代、つまりは古今を通じて、凡そ優れたる人物というのを見逃してはならない。出来るだけ優れた人物に親炙し、時と所を異にして親炙することが出来なければ、古人に学ぶのである」。
※親炙:親しくその人に接して感化を受けること。


 「人物の研究というものは抽象的な思想学問だけやっておっては遂げ得られないものです。どうしても具体的に、生きた優れた人物を追求するか、出来るだけそういう偉大なる人物の面白を伝え、魂をこめておる文献に接することであります。その点古典というものは歴史の篩(ふるい)にかかっておりますから特に力があります。つまり私淑する人物を持ち、愛読書を得なければならぬということが人物学を修める根本的、絶対的条件であります」。
※私淑:直接に教えを受けてはいないが、その人を慕い、その言動を模範として学ぶこと。


 私の場合は、山岡鉄舟先生、そして、少し主旨が違うが、前述した映画の中のジャッキーチェン(笑)というところ。


 彼らの伝記を読み、歴史を知り研究し、生きた過程を深く考える。それが自身の血となり、肉となり、その人の人間性を構築する。


 そして、生きていれば良いこと、悪いこと、いろんな何かが起こる。それが人生です。
 その時に「彼らならどうするか? どう動くか?」を考える。
 それが進むべき方向性、正しい判断の力となります。


 どうぞ皆さん、遅すぎることはありません。
 私淑する人物を持ち、人生を過たず堂々と生きて欲しいと思います。

 きっとそのような人物を後世の人が私淑するのだと思います。




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2017年12月11日月曜日

ジャッキーチェンの呪縛1

 小学生の頃、宮崎市の映画館で初めて見た映画が、ジャッキーチェンの「ヤングマスター」でした。確か小学3年生。


 父の妹が独身の頃、私の姉と共に連れて行ってくれました。
 ちなみに初めて買ってもらったレコードも、この映画のサントラ盤。


 姉は、本当は当時のアイドル“たのきんトリオ”が出演している「ハイティーンブギ」が見たかったはず‥、しかし、そこは仕方なく可愛い弟に譲ってくれたのでしょう。


 それはさておき、映画の感想は、「(ジャッキーチェンに)痺れてしまいました‥」(笑)


 それからは、お年玉などをもらってお金に余裕がある時はバスで、お金が無いときは西都市から自転車で3時間ぐらいかけて映画を見に行きました。もちろん、一日中、ジャッキーチェンの映画三昧。何度も同じ映画を見ました。帰りが遅くなり、よく母に叱られたものです。


 そういえば、父に一度、ジャッキーチェンの「酔拳」、「蛇拳」、「笑拳」の3本立てを見に連れて行ってもらった記憶がありますが、映画の内容は拳法が違うだけでほぼ同じ(笑)、よくつきあってくれたものだと思います。


 学校では、ブルースリー派とジャッキーチェン派で別れていましたが、私はもちろんジャッキーチェン派。拳法の腕はもちろんブルースリーに軍配が上がりそうですが、私にとって魅力的に思えたのはジャッキーチェンでした。


 それはさておき、昨年の春のこと、昼食後に、ある喫茶店の前で若い女性を相手に暴言を吐いている50歳ぐらいの男を発見。


 詳しい状況を理解しようと近づいてみると、正義感から止めに入った一見チンピラ風の男性を交えて乱闘騒ぎに発展‥。


 私と一緒に食事をしていた方の制止を振り切り、乱闘騒ぎの制止作業に入ってしまう私‥。結果、取り押さえて、警察を呼び、事情聴取を受け終了。


 酒の席でその話を同級生にすると「昔から思ってたけど、ジャッキーチェンの映画の見過ぎじゃないの(笑)」と言われてしまいました。


 ドキッ。
 まずい。思い当たる節が多々ある(笑)


 先日、唐沢寿明主演の『イン・ザ・ヒーロー』 (IN THE HERO) を見たところ、一緒に見ていた者から「似ている‥(笑)」の一言。


 残念ながら唐沢寿明さんに似ているという意味ではなく、映画の中で、レストランで娘と食事している時にクレーマーの男性が女性店員に絡んでいたのを制止に入るシーンを見てのこと。周囲はもちろん迷惑だろうが、ついついやってしまう‥、私と同じ行動パターンだ。確かによくある。


 この時も、「ヒーロー者の映画の見過ぎじゃないの(笑)」と言われてしまった私。


 うっ、ひょっとして‥、これは洗脳!?

 
 ‥つづく



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2017年12月4日月曜日

「忍者の武術『龍之秘剣・タイ捨流剣法』Ninja Martial Arts Taisha-ryu Kenpo」の動画をアップしました。

 先日開催した「合気大祭・第2回西都市合気道演武大会」において、忍者の武術『龍之秘剣・タイ捨流剣法』の特別演武を行いましたので、その模様の動画をダイジャストにしてアップしました。

 ぜひ、ご覧ください!


【Youtube】
忍者の武術「龍之秘剣・タイ捨流剣法」
 Ninja Martial Arts Taisha-ryu Kenpo
https://www.youtube.com/watch?v=Y0fS6qUKEUY&t=4s


チャンネルはこちら!
「Ninja Martial Arts Taisha-ryu Kenpo」チャンネル
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 ついでにこちらもどうぞ。


合気大祭・第2回西都市合気道演武大会道場長演武
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2017年11月27日月曜日

カエルの楽園

 只今、衝動買いをした本を消化中です(笑)


 今回は、百田尚樹氏の最高傑作と噂される「カエルの楽園」を読んでみました。



 「安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、豊かで平和な国ナパージュに辿り着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守って暮らしていた。だがある日、平穏な国を揺るがす大事件が起こる‥」


 具体的には、日本を中心とする東アジア諸国の関係をカエルの国になぞらえて書かれた小説です。 


 近隣諸国との問題は、今に始まったことではありませんが、北朝鮮情勢が緊迫感を増してきている現状では、ぜひ読んでおいていただきたい本です。


 ただ、高尚な本ではなく、また、特に面白くもありません(笑)


 近隣諸国及び日本国憲法等の現実的な問題について、課題提起した本だと思います。


 よろしかったらどうぞ。


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2017年11月20日月曜日

「君にはもうそんなことをしている時間は残されていない 」

 少し時間が出来たので、買っていて読んでいなかった書に手を出してみました。
 恥ずかしながら衝動買いをした本がけっこう積んであります(笑)


 今回は、「君にはもうそんなことをしている時間は残されていない」です。



 
 「時間というのは、誰にとっても命の断片だ。人はこの世に生まれてから、誰もが時計の秒針と共に死に向かって生きている。そして唯一、時間だけは全人類に平等に与えられている」。


 当たり前のことで理解もしているつもりですが、日常の雑事に追われ、時間の使い方について深く考えることを放棄していた気がします。


 人生何が大事かと言えば、やはり生きている時間をどう使うか、逆に言えばそれがその人の人生だとも言えます。


 そして、プロローグにある「1分の遅刻は、相手の命を軽く見た証拠」との言葉にドキッとさせられました。


 確かにそうかもしれませんね。


 違う視点から、遅刻の意味を学ぶことができました。


 時間について考えるよい本です。


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2017年11月13日月曜日

和を貴しとなす

 「和為貴」 (和を貴(たっと)しとなす) 論語


 聖徳太子の十七条憲法の冒頭に掲げた「和をもって貴しとなす」の原文と言われている論語の一節です。


 「和の武道、合気道」の「和」ですが、社会生活を営むには、この「和」というものがたいへん重要になり、また、この和を保つには「礼」が必要となってくることは、社会に出れば、否が応でも体感します。


 それでは、「礼」とは何なのでしょう?


 深く考えれば、人生を無事に生き抜くためのスキルなのかもしれませんが、分かりやすく言えば、「立場をわきまえ、不快感を与えないこと」になるのでしょう。


 さて、先日、懇意にしている国会議員との懇談の席で、「敬語が使えない(使わない?)人が増えている」、「他人に対して基本は敬語! …が崩れている」との話を聞きました。


 しかも、「様々な道の指導者が既に正しい日本語が使えないので…」とのこと。


 …この件に関して、私も眉を顰めることは多々あるのですが、…まぁよくある話なので、さらっと聞き流そうとしたのですが、それを見透かされたように、「武道の指導者であるあなたが、頑張らなくてどうする!」との、軽い一喝!


 もともと礼とは、他人に不快感を与えたがために、様々な仕打ちを受けぬ工夫でもあったわけで、結果、身を守る手段の一つ。


 もちろん、自分を磨いてくれる相手に対する敬意など、ほかにも理由は多々ありますが、このようなことから、武道は礼に始まり礼に終わります。


 このようなことで、「礼を度外視したものは、武道とは呼べません」という意見があったとしたら、それは当然であり、至極ごもっともなのです。


 和を保つにはマナーが肝心。


 私も気をつけます。


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2017年11月6日月曜日

封書を四十までに開け

「封書を四十までに開け」


「“現代の覚者たち 致知出版社”の」覚者の一人、教育者の森信三氏の言葉です。
http://online.chichi.co.jp/category/BOOK/159.html


 さて封書とは?


 どういうことか要約しますと、
 「人は、この世へ送られた使命がある。その使命が何であるかは、神様が使命を記載した封書を一人ひとりに授けているため自らが開封するしか手段はない。それも、遅くとも40歳までに開封しなければダメだ」という意味です。


 さて、「音もなく 香もなく 常に天地(あめつち)は 書かざる経をくり返しつつ」という言葉がありますが、20代の頃からでしょうか? この言葉が頭の片隅から離れず、日々生じる所縁…、その意味を考え続けてきたように思います。


 その結果、ちょっとした“におい”程度ですが、自分の使命を30代半ばぐらいには感じていました。


 道場を開いたのも、もちろんその延長線上にあるからにほかなりません。


 私が道場を開いた年に40歳になりましたので、先ほどの封書の話からすると、天からギッリギリ(笑)で合格証書をいただけたのでしょうか?


 それとも、「この方向に進めばよいのだよ!」と、何者かが背中を後押ししてくれているのでしょうか?


 何かそのような気分です…。


 この本は素晴らしい本です。
 久しぶりに電気が走りました。
 見識のある志の高い人の言葉は重みがありますね。


 今後も変わらず、「いかにこの人生を生ききり、魂を磨き究(極める)めるか」を、武道を通じて考えてまいりたいと思います。


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2017年10月30日月曜日

未萌に極意あり

 「愚者は成時に闇く(くらく)、智者は未萌(みほう)に見る」 戦国策


 「愚かな者とは、悪い物事が起こってきた段階でも、まだ気づかない人物であり、智慧のある者とは、まだ兆し(萌し)が起こった段階であらかじめ察知し、最適な対策を講じることができる人物のことですよ」…という意味でしょう。


 私がよく「高橋師範の名前の『暁』に極意があるんだよ」というのはこの理由からです。


 未萌に見るとは、言わば危険察知能力。
 厳しい実社会を安全に生き抜くためには大事なことです…。


 参考までに「合気とは、敵の仕掛ける技を未然に察知できる能力のことだ」と説明する古武道家もいらっしゃいます。


 確かに敵の仕掛ける技が未然に察知できれば、これに越したことはありませんね。


 なお、この「智者は未萌に見る」は元来、武道家の徳の一つとして重要視されてきたものです。


 さて、社会生活上では、
1.「何となく気になる。または、何となくそんな感じがする」、
2.「自然と周囲から自然とある方向性へ誘導されている」
 …が羅針盤です。


 もちろん、これには空気が読める以上の感覚(嗅覚?)が前提になります。


 このことが理解できる精神状態で、この事実に確信が持てた場合にようやく「見えないものへの感謝」や「おかげさま」の意味が理解できるようになり真の信仰心が生じます。


 このうえで始めて、「智者は未萌に見る」ことが可能になるようです。


 何も宗教の話をしているのではありません(笑)


 古今東西の「覚者」と言われてきた人には、当然のこととして生じる事実ですし、「このことなくして大成することはない」と喝破する空手家も存在します。


 合気道開祖植芝盛平先生の神業も「未萌に見る」ことなくしては不可能でしょう。


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2017年10月23日月曜日

人はすべからく事上に在って磨くべし

 さて、「人須磨在事上」、
 人はすべからく事上に在って磨くべし 伝習録


 社会生活上、仕事など日々の実践を通じて自分を磨きなさい!
 …という意味だと思います。


 学問、つまり知識だけでは、なかなか生きた知恵が身に付かない…、
 知識を見識に変えていくには、学問と並行して社会生活上での実践で鍛えなければならない…、そして、実践で鍛えに鍛えて、ようやく真理が肚に納まる…、これを胆識とよぶのでしょう。


 生兵法は怪我の元、そして付け焼刃は役にたたない…。
 実践で磨かれてこそ、知識も人間も本物に近づけるのだと思います。


 伝習録は、「知行合一」を説いた王陽明の本です。
 敬愛する西郷隆盛さんも愛読したとのことから、20代前半に取り組んではみましたが…、これが、なかなか難儀した記憶があります。


 …が、最近、久しぶりに手にとってみると内容がよく理解できる気がするのは勘違い?
でしょうか(笑)


 不思議なものです。


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2017年10月16日月曜日

会津八一

 新潟県出身の歌人で美術史家、そして、書家でもあった会津八一という方がいらっしゃいます。


 その方が書について、下記のように語っているそうです。


 「芸術として書くからには、字さえ上手に書けば何でもいいというわけにはいかない。その中に盛ってある思想も感情も、まず自分のものでなければいけない。自作でないにしても、自分で本当に感動したものでなければならない。」


 武道、そして合気道も同じだと思います…。



 言い尽くされた言葉ですが、やはり“中身が大事”ですね。


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2017年10月9日月曜日

西郷隆盛十訓

 
 西郷どんは、隣県の英雄!!
 修学旅行では、今でも鹿児島市で西郷さんの銅像を見学するそうです。


 来年のNHK大河ドラマが楽しみですね。
 



 さて先日、西郷さんの子孫の方がある雑誌で、家に伝わる訓えについて解説されていましたので紹介いたしますが、棘の多い門松を数多くくぐってきた苦労人だけあって実に味があります。



『西郷隆盛十の「訓え」』

 一 迷ったときは、「損得」でなく「善悪」で判断せよ

 二 「正道」を行ない、それを楽しめ

 三 「分をわきまえる」ほど、強くなる

 四 「勇気」だけは、誰にも負けてはならない

 五 理不尽は理不尽のままでよい。自分が理不尽なことをせねばよい

 六 「恩」は返せ。「恨み」は晴らせ

 七 「当たり前」とは、不測の事態が起こること

 八 自分を大事にしすぎるな。すべての悪事はそこから生じる

 九 恥は堂々とかけばいい

 十 「天」に問え


 「一」は、実に感じ入りますね‥。
 私自身、どうしても物事を合理的に判断してしまう性質で、困ったことになかなかこうはいきません。後天的修養が必要ですね。


 「四」は、豪傑・大度量と言われた西郷さんが、「勇気」をあえて十訓に加えたとすれば、豪傑と呼ばれたその大胆さは、きっと勇気を振り絞った証だったとも考えられますね。逆に勇気がもらえた気がします。


 「五」は、実に味がありますね。
 西郷さんも、理不尽で嫌な思いを多々体験させられたのでしょうね。対応方法は、確かにこれしかない気がします。


 「十」は、ずっとやっています。癖になっていると言えばよいのか‥。
 これだけは大丈夫そうです。


 時代は変わろうとも、変わらない真理がある。
 実によい「訓え」だと感じましたが、皆さん、いかがですか。



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2017年10月2日月曜日

素質を養う

 読み返した本の中の一節に面白い表現の文章がありました。


 「生まれて後に得る人間的な芸能知識というものは、むろん、人の一生を支配するものではあるが、世人の多くは、これらを得るということにのみ、直接、熱中して、これらを得ることができる素質を養うということを忘れている」。


 この本には解説は全くありませんので想像になりますが、「素質を養う」とは、人間性を養うことではないかと思います。


 いくら能力が高くても、勤勉さがなければ「二十歳過ぎればただの人」…。


 能力を得るための人間性、勤勉、実直、素直、根気等々…、
 この人間性を培うための努力がまずもって必要ではないかと思います。


 別の表現をすれば「徳を養う」という風にも言えるのでしょうか。


 「素質を養う」…、今年のテーマにします。


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2017年9月25日月曜日

ミドレンジャー先生

 高校生の頃、「ミドレンジャー先生」というニックネームの先生がいました。


 このあだ名の由来は、先生は髪が薄く後頭部がVの字に見えるため、後ろから見ると昔流行ったテレビ番組ゴレンジャー戦隊の「ミドレンジャー」に似ていたので、このようなニックネームがつけられたようです。



 …つけられた…とか、…ようです、と言いながら、友人に言わせるとどうも自分がつけたあだ名のようですね(笑) ‥確かにつけそうだ。


 さてこの時期、元気いっぱいでとても反抗的な生徒だった私は、先生方からするとわずらわしい生徒だったようで、煙たがられていました。


 そのような中、なぜか自分を可愛がってくれた先生も少数ですがいらっしゃいました。
 その中の一人が、この「ミドレンジャー先生」。


 先生はクリスチャンだったようで、授業の始まりにはいつも黒板の右上に「祈り」と書いてから授業を行っており、また、同時に道徳的な授業もされていました。


 記憶によると病気で倒れられてから授業の比率が急に「試験勉強 → 人生哲学」に変わってしまった先生のようでした‥。


 試験の勉強より道徳的生き方を重視されており、このせいかバブル時代の学歴偏重社会の先生としては不適格? との烙印を押されていた雰囲気があった気がします。空気感でそう感じていましたが、実際はどうだったのでしょう…。


 さて最近、部屋の掃除をしていたらその当時の手帳がでてきました。


 そのメモに「ミドレンジャー」、との走り書きのあとに以下の文章がありました(若干、修正・補足しています)。


 「あなたの真っ直ぐな正義感は若いなりに不器用だが悪くない。そして元気もある。そのまま真っ直ぐ成長すれば人を指導する立場の人間になれるかもしれない。そのような場合、いろんな方から意見を求められたり相談事を持ち込まれることがあると思う。そのようなときは、的確に正しい方向に導いてやる必要がある。また、これには見識が育っていないとできない。見識が育つためには知識がまずもって必要である。そのような時に、『道に迷った人、困っている人をさらに惑わしたくなければ“今勉強しなさい”』」、


 これは、先生お得意の「褒め殺し的説教」であり、当時の私も決して勘違いすることはなかったのですが、「自分というものを理解してくれる方がいるのがうれしかった」のは事実でした。


 しかし、当時の私は意味が分かっていたのでしょうか?


 今思えば尊敬すべき良い先生もいたのですね…。
 しかし、結局社会人になるまで全く勉強はしませんでした(笑)


 勉強していれば「ミドレンジャー先生」が言うような人物になれたのでしょうか?


 光陰矢のごとし…、後悔先に立たず…ですね。


 いやいやいかんいかん。まだまだこれからです。
 頑張ります。



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2017年9月18日月曜日

傳家寶(でんかほう)

 道場を開くにあたって、道場訓というものを考えたことがあります。

 
 他の道場の道場訓を収集し、さらに各種の古典から名文をピックアップしていたところ、その際に安岡正篤先生の傳家寶(でんかほう)という言葉に出会いました。


 内容は、道場訓的なものでなく、言うところの我が家の家訓というものです。
 しかし、家訓としてはレベルが高すぎる。
 それで、傳家寶、つまり「家の家宝として伝える言葉」と言うのでしょう。


「傳家寶」
一、我が幸福は祖先の遺恵、子孫の禍福(かふく)は我が平生(へいぜい)の所行にあること、已(すで)に現代の諸学にも明らかなり。

二、平生・己(おのれ)を省(かえり)み、過(あやま)ちを改め、事理を正し、恩義を厚くすべし。百薬(ひゃくやく)も一心の安きに如(し)かず。

三、良からぬ習慣に狎(なれ)るべからず。人生は習慣の織物と心得べし。

四、成功は常に苦心の日に在り。敗事は多く得意の時に因(よ)ることを覚(さと)るべし。

五、事の前に在りては怠惰、事に当っては疎忽(そこつ)、事の後に於(おい)ては安逸(あんいつ)、是(こ)れ百事成らざる所以(ゆえん)なり。天才も要するに勤勉のみ。

六、用意周到なれば機に臨んで惑(まど)うことなし。信心積善(せきぜん)すれば変に遭うて恐るることなし。

七、不振の精神・頽廃(たいはい)せる生活の上には、何ものをも建設する能(あた)わず。永久の計は一念の微にあり。


 ‥是を読んで、私が考えていた道場訓がやけに恥ずかしくなり(笑) 未だに完成していません‥。


 しかし、いつの間にやら、この傳家寶は我が家の家訓となりました。
 いつ目を通しても心に染みいります。


 当会の皆さんも、この言葉を深く心に刻み、堂々と人生を闊歩してほしいものだと思います。


 
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2017年9月11日月曜日

真の教養

 安岡正篤氏の著作の中に「真の教養」という一説がありますので紹介します。


 「およそ真の教養とは、人類の有する偉大な著作に親しむことによって得るものです。そこで昔から優れた定評のある良い書物を少しずつ読むことであります。

 人間としての教養の書、人としての哲学の書、修養の書というものを、注意して毎日たとえ三枚でも五枚でも、そういう書物を必ず読むようにする。いわゆる座右の書を持つことが必要です。」


 随分前にある有名な政治家にお会いしたことがありますが、その方が「私は本を読まない人物とは個人的にはお付き合いはしない。‥話が面白くない‥、時間がもったいない‥、云々」。
 きつい言葉ですが、まったくもってそのとおりだと思います。


 さて、私の座右の書は「易経」です。
 あとそのほか数冊‥。


 最近、めっぽう忙しいので、本当に少しずつですが時間を見つけては目を通してます。
 もう無理して読むことはしていません。
 楽しいから読んでいます(笑)


 武道というと、なんとなく「禅の書物」みたいな印象がありますが、これはほんの一部です。実は、研究者の間では、古来の武道家が一番多く座右の書としたものは易経だと言われています。


 この易経、いいですよ。
 宇宙の真理がこの一冊に詰まっています。


 全ての武道、全ての仕事、全ての方の人生等々に応用可能な書です。


 さぁ、お迎えまでにどれだけ理解できるのか楽しみです(笑)



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2017年9月4日月曜日

合気道とダーウィン

 先日、英国の博物学者であるチャールズ・ダーウィンの書のある一節を読んでいて、思わず「うっ」と唸ってしまいました。


 その一節とは?


 「生き残るのは、最も強い種でも、最も知的な種でもない。最も変化に対応できる種が生き残るのだ」 チャールズ・ダーウィン


 びっくりです。
 武術の極意ですよね。


 日本剣術的に云うと新陰流の「転」。


 今風では、「転位、転体、転技」というところでしょうか。


 狙った技は外されます。


 敵の攻撃に全て変化にて対応するのが「随敵」。


 具体的には、敵の攻撃を「転位、転体、転技」で対処します。


 身体だけでなく、心や考え方まで柔軟にして対処する。
 もちろん居着きは厳禁です。


 ‥合気道と同じですね。



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2017年8月28日月曜日

名人とは?

 名人とは?


 定義は様々あると思いますが、私の場合、下記の言葉を思い出します。


 「平常心をもって一切の事をなす人、是を名人と云ふ也」
               兵法家伝書 柳生宗矩


 荘子の包丁の話にも似ていて感心します。


 息をするように、歩むように、さらっと自然に技を施す。


 やはり「平常心是道」、


 武道は、精神の修養を第一とすべきだと思います。


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2017年8月21日月曜日

女優の北林谷栄さんの話

 先日、上京した折に電車の中でふと下記の話を思い出しました。


 それは、女優の北林谷栄さんの話。


 「私の祖母は、人に先がけて席を取ろうとしたら、きつくたしなめるような人だった」。


 私も同様の躾の家庭環境で育ったせいか、このような話には共感してしまいます。


 時代遅れ?
 そうかもしれませんね。


 今は、「〇〇ちゃん。あそこが空いてるよ。早く、早く」の時代。

 
 しかし、私の場合は、空いている席に座ろうとすると、両親から「子供は立っていなさい!」との理不尽なお言葉‥。


 子供の時分には分かりませんでしたが、今は分かる。


 このような考え方の国々ばかりであれば、紛争は起きないはずです。


 隣国の様子がきな臭く感じる今日この頃、少し考えさせられました。


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2017年8月14日月曜日

水鏡

 先日、ベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の著者、ノートルダム清心学園理事長である渡辺和子さんが、ノートルダムホールにある「水鏡」について説明されていました。


 「水鏡」とは、中央棟の前にある直径10mの水のオブジェのことです。


 キャンパス内の名所の一つのようで、「立ち止まって自己の内面を見つめてほしい」という願いを込めて創られたそうです。


<要旨>
 「この水鏡にお月様が映っていて、そのお月様がグラグラして見えるとする。それは、お月様が歪んでいるのではありません。水が波立っているのです。皆さんの心も同じです。心が波立っていては物事が正しく見えません。何か困ったことが起こった時、この水に自分の姿を映してよく考えてみなさい。あなたの心が歪んでいないか? 心が波立っていないか? 冷静になって、一歩引いて考えてみましょう。そうすると分かってきます。何もかも周りのせいにするのでなくて、あぁ、私自信も悪いのだって理解できます。」


 実は、この話に武道の極意が隠されています。
 いやいやこれは面白い!


 タイ捨流の極意の言葉である「水急不流月」にも通じます。


 キリスト教的表現と言うより、日本の禅的表現に近い気がしますが、キリスト教にも「心を鏡」と表現する場合があるのですね。それとも日本化したキリストの教えの表現なのでしょうか。


 やはり、宗教と日本武道の精神的境地は一致するようです。


 しかし、この水鏡、本物を見てみたい気がします。
 製作を企画された方は、どんな立派な方だったのでしょう。



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2017年8月7日月曜日

ツキを呼び込む魔法の言葉

 ベストセラーになった「ツキを呼び込む魔法の言葉」の著者である五日市剛氏のお話を紹介します。


 五日市さんが学生時代に海外を旅して回っていたところ、旅先のイスラエルで偶然出会ったおばあさんから、ある言葉を教わったそうです。


 その言葉が「ツキを呼び込む魔法の言葉」。


<魔法の言葉>
 ○嫌なことがおこったら「ありがとう」。
 ○嬉しいとき、楽しいときには「感謝します」。


 いやいや、これは単純だが奥が深いですぞ‥。


 使用方法も簡単です。
 この二つのありふれた言葉を、嫌なとき、そして、嬉しいときや楽しいときに自分自身につぶやくだけです。


 そうするといつの間にか「魔法の言葉」になっていくそうです。


<五日市剛氏講演録より>
「ピンチや嫌な出来事に感謝して呼吸を整えていくと、不思議とそれ以上、嫌な気分にはなりません。なぜかいい智恵がわいてきやすくなりますし、次の一手が浮かぶこともある。それをタイムリーに行動に移すと、どんなことでも意外と簡単に乗り越えられるようになるものです。

難題そのものに感謝して乗り越えると、それは大きな自信になります。すると精神的にも成長でき、同じミスは犯さなくなります。だから難があることは『有り難い』わけです。」


 「全ての物事に感謝せよ!」


 良く聞く言葉です。しかし、実行に移すにはなかなかたいへんですよね。


 中村天風氏の天風哲学「絶対積極」も同じです。最初からその境地にはなかなかたどり着けるものではありません。


 まずは、この辺りから少しずつ初めてみるのがよいのではないかと感じた次第です。


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2017年7月31日月曜日

武術心法7

 「心法」とは心の働きの総称のことです。


 また、意識を用いたテクニックを「心術」と表現します。


 そして、極意とは、意識(無意識の領域を含めた)の働きを極めることと考えられます。


 さて、合気道の目的は「至誠の人」を育成することにありますが、二代目道主である植芝吉祥丸先生は「武道家のこたえ」という書籍の中で、合気道の目的を次のようにも述べられています。


 『コマが回る状態に例えていう「澄み切りの境地」を求めるのが合気道の目的ということです』


 ‥なんと合気道の目的は、「澄み切りの境地」に至ること!だったのです。


 この「澄み切りの境地」は、「明鏡止水」という別表現もあり、一般的にはこちらを使用しますね。


 参考までに、出典は荘子と言われていますが、辞書によると「曇りのない鏡と静かな水。なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態」のこと。


 武道的には、「心の鏡を磨ききって、相手の心の動きが分かる境地」と言えるのでしょうか。


 結局のところ、日本武道の目的は「澄み切りの境地」や「明鏡止水の境地」に至ることであり、武道家が晩年に禅を組んだり、滝行をしたりなど様々な宗教的行法を行うのもここの重要性に気づいたからなのでしょう。


 達人と呼ばれる方が、最終的に宗教家なのか武道家なのかよく分からなくなったりするのも、これが原因だと思われます。


 さて、「澄み切りの境地」に至ればどうなるのでしょうか?


 それは、武術的にはいわゆる「後出しじゃんけん」が可能になるようです。
 敵の攻撃が未然に察知でき、その攻撃を未発に終わらせることが可能になる・・・。


 合気道開祖の話に、「キリスト教では右の頬をぶたれたら、左の頬を差し出しなさいと教えているが、合気道では、右の頬を打ってくれば、それを未然に察知し打たせないことで、自分も被害を受けずに相手に罪を犯させない」、というようなものがあるのですが、本当に素晴らしい思想だと思います。


 私もこのような境地に一歩でも近づきたいと考えています。


 最後に、古流剣術の言葉、

 「雲晴れてのちに光るとおもうなよ もとより空の有明の月」


 「武術心法」終わり


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2017年7月24日月曜日

武術心法6

 このようなことで、“空間的な崩し”には、いわゆる「読み」という技術が最も必要になります。


 いわゆる心眼が開く必要があると言うこと。


 ここでようやく「一眼、二足、三胆、四力」の順番の重要性が理解できることになります。やはり、目が大事!


 この「読み」には、①「相手の構えや体勢の崩れなどから相手の攻撃を把握する技術」と、②「観の目といわれる一種の予知能力に近い、相手の攻撃が未発のうちに理解できる技術」に分かれます。


 なお、「観の目」(感性の目、心を読む目)とは、「自分の心で、相手の心を感じる」手法だと考えています。


 ご存じの方も多いと思いますが、合気道開祖植芝盛平先生の逸話として、銃弾を避けることができたというものがあります。


 内容は、「弾が飛んでくる前に“黄金の弾(玉ではない)”が飛んでくるので、これをよければいいんじゃ」という話ですが、私は、この観の目の延長線上にあるものではないかと考えていますが、皆さん、いかがお考えでしょうか。


 それでは、「観の目」はどのようにしたら身につけられるのでしょう?


 これについて、古武道の伝書などで書かれているものを集約し現代語に訳しますと下記の通りになります。


 それは、「姿勢を整え、思考回路を縮小し、耳を澄ましていくことで、脳内ではその瞬間、何者にもとらわれずに集中しきっている状況が生まれる。これを持続させていけばよい」ということです。


 皆さん、禅と似ていると思いませんか。


 きっとこのような理由で、禅との密接な関係が生まれたように思われます。


 また、一見意味の分からない短い言葉を唱え続けることでも同様の効果が生じるようです。


 祝詞や念仏などを唱え続けてみるとよくわかりますが、いつの間にか何も考えていないような状態が生じます。


 このことを私は、タイ捨流で悟りました。


 なお、私には科学的な説明はできませんが、このような状態を維持し続けることで、その瞬間は目標対象物に対する感度が上昇するようです。


 しかし、「澄み切り」(明鏡止水)の状態から、心が少しでも動揺した時点でその感度は急降下します。


 このことを表現した言葉、

 「濁り江にうつらぬ月の光かな」 善吉和尚


 そして、このことの重要性に気づいた人の言葉、

 「稽古とて外に求むる道もなし 心の塵を払ふばかりぞ」 示現流兵法


‥つづく


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2017年7月17日月曜日

武術心法5

 “空間的な崩し”とは、さまざまなパターンが考えられますが、紙面の関係上、一例に絞って説明したいと思います。


 これは、私が 「キックミットの理」 と呼んでいるものなのですが、例えばDさんが、Eさんの練習のためにキックミットを持って蹴りを受けていたとします。


 Dさんが「この場所に蹴れ!」と叱咤(ポイント)します。


 Eさんは、その位置に思いっきり蹴りを放ちます。


 しかしDさんは、Eさんが蹴るときの「け(る)」のタイミングでキックミットの位置をわずか15センチほど移動させたとします。


 Eさんは、蹴るの「け」の字のタイミングで目標地点が移動したためうまく蹴ることができません。


 またまた、妙な例えで恐縮なのですが、弓でも吹き矢でもよいのですが、的を狙っていて、“いまだ!”の「い(まだ)」の字のタイミングで的がずらされたとしたら…、きっと身体機能にパニックをおこし力が発揮できなくなることでしょう。


 つまり、相手から狙われている部分を未然に察知し、殴るの「な(ぐる)」の字のタイミングで、狙われた部分を移動させるのです。


 また、この瞬間に相手が物理的に崩れる位置に移動するとさらに効果を発揮します。


 本当の体捌きとは、このような技術のことを言うのではないかと思います。


 宮本武蔵は、五輪書に攻撃の「こ(うげき)」のタイミングを押さえて何もさせないことを「枕を押さえる」と表現しています。


 ちなみに先ほどの例は、枕を押さえずに崩しに応用した一例となります。


 この技術には、「空気が読める」ということが必須条件で、しかも、相手が自分のどこを狙っているのか把握できる知覚レーダーが過敏すぎるくらい発達している必要があります。


 何か文章にすると小難しく聞こえますが、剣道などの打突系の武道をされた方には当たり前の技術で、いつの間にか自然に覚えていたテクニックの一つだと思います。


 また、私は、仕事の交渉術として使っています。


 例えば交渉中に、相手が「お断り」など言いにくい事案をどのタイミングで切り出そうかとモゾモゾしているのを察知し、「さて、言うぞ!」の“さて”ぐらいのタイミングで、「あーそういえば…」と話を他の話題に切り替えてしまうのです(笑)。


 きっと、社会人の皆さんは心当たりがあるのではないでしょうか?
 でも、やりすぎると嫌われてしまいますね。


 また、飲み会の席などで、「グラスが空になりそうだけど自分で注ぐのも…」という意識を感じて、ボトルを差し出すのも同じ道理です。


 しかし、実際の打ち合いで使用するのはなかなか骨が折れることです。


 このような技術は、相手とのレベルに歴然とした差異がある場合、若しくはその技術がハイレベルな場合でしか効力を生じません。


 そして、最大の欠点は、心が動揺した時点で効力が生じなくなってしまうことです。


 つまり、このような技術の欠点は、自分より上手の相手には一切通用しないということ!


 やはり「生兵法は怪我のもと」のようです。
 ご注意を‥。


‥つづく


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2017年7月10日月曜日

武術心法4

 「術」を「道」にまで昇華させた剣聖の創造した兵法とはいかなるものなのでしょう?


 さて、ここでAさんがBさんに勝利する二つ目の考え方がでてきます。


 それは、Aさんが“戦闘力100”を保ったまま、Bさんの“戦闘力100”を、なんらかの技術を用いて、“戦闘力50”に落とすなど、戦闘力を減少させてしまう勝ち方です。


 これでAさんの戦闘力がBさんを上回り、戦いに勝利することが出来ます。


 私は、この相手の「戦闘力を減少させる技術」が、日本武道における兵法の根底になったものだとみています。


 何か小難しく書いてしまいましたが、そんなことはありません。


 私たちの合気道や柔道などで用いる「崩し」と呼ばれる技術が一つの例として挙げられますす。


 この「崩し」にも、実は“物理的な崩し”と“空間的な崩し”が存在し、その「空間的な崩し」には心術が用いられます。


 “物理的な崩し”とは、合宿などで説明している「ドラムカンの理」と呼んでいるものが代表されると思います。


 これは、「B地点からC地点にドラムカンを移動させたい場合にどうするか」を考えると理解しやすいため、例えとして「ドラムカンの理」と表現しています。


 さて、この場合、ほとんどの人はドラムカンの側面を押して斜めにし、地面に接地する部位の面積を減少させることでドラムカンを体感的に軽くし、底面の縁をコロコロとさせながらC地点まで移動させると思います。


 これが「ドラムカンの理」。


 この理を武術に応用すると、相手に接触した瞬間に、相手の重心をつま先か踵に一瞬で移動させ、相手が 「つま先立ち」 もしくは「浮いた」 状況をつくりだすと相手は一瞬ですが、物理的にも精神的にも居着いた状態になります。


 私はこれを「物質化する」とか「モノ化する」と呼んでいますが、この状態になると思考回路は一瞬だけ寸断され、かつ身体は硬直化します。


 この時を逃さずに、斬ったり、突いたり、投げたり、倒したりするのが基盤となり構成されているのが“物理的な崩し”を用いた戦闘法です。


 なぜ、思考回路が一瞬寸断され、かつ身体が硬直化するのでしょうか?


 私には科学的な説明はできないのですが、人間が何かにつまずいて転ぶ瞬間というものは、急激に身体を支える重心がなくなることで、身体機能が一瞬機能しなくなるのではないかと考えています。


 また、「溺れるものは藁をも掴む」にありますように、身体機能が一瞬パニックを起こすと言う風にも考えられます。


 例えは違いますが、人によっては、実際に掴んでいる手がくっついたまま離れなくなることもありますね。


‥つづく


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2017年7月3日月曜日

武術心法3

 結局、石ころの投げあいや棒切れなどを持っての戦いに始まった闘争が、集団になることで戦争になり、敵より強い武器や戦術を開発することで戦闘能力を上昇させ続けていく。


 21世紀である現代は、その過程で核爆弾・化学兵器の開発に至り、悲しいことに自らがその脅威にさらされ続けている・・・。


 愛するものや家族、そして、国家を守るため、また、誇りを失わないため“戦闘能力を上昇させ続ける”という殺し合いの螺旋に陥り、ついには、核兵器の開発に至ってしまったのでしょう。


 フランケンシュタインを創った科学者の「こんなはずじゃなかった」という嘆きに似ていて、なんともやりきれない気がします。


 しかし、悪い面ばかりでもありません。


 ヒッタイト人による鉄の発明や中国での火薬の開発、そしてインターネットが米国の国防総省による軍事目的での開発が趣旨だったなど、人類に大いに貢献してきた歴史であるとも言えます。


 それはさておき、人類の歴史は戦争の歴史と言われるように、この“殺し合いの螺旋”から抜け出ることは容易なことではなさそうです。


 さて話は変わりますが、なんでも幼少の頃、自分がいじめた(全く記憶にない)らしい相手から数十年後の同窓会の席で「やまいもを掘られる」(酒の席で絡まれるという意・宮崎弁)ことでもその難しさがよく理解できます(笑)


 少し脱線しましたが、日本では、戦国乱世に生きながら、在る時、この殺し合いの螺旋の無意味さや滑稽さに気がつき、相対的な術を越えることで法を志向し、武術を兵法、そして道へと昇華させた人物がいました。


 その代表的な人物として、新陰流兵法を創造し剣聖といわれた上泉伊勢伊守藤原信綱 がいます。


 さて、この昇華させた過程について、新陰流・武術探求会の前田英樹氏は下記のように述べています。


 「ある術を身につけて少しでも達者なほうが勝つとか、ちょっとでも油断したら負けだとか、あるいは石につまずいたら負けだとか、そんなことで命を捨てるというのはやり切れない。そういうことだったと思うんですよ。

 たとえば誰かがある技を編み出した。それに対して別の者がそれに対抗する技を考える。または、上回る技を考える。

 技術と言うものは際限なく更新されていくんです。心理戦にしたってそうです。技術の相対性から抜け出せない。いったいどうすればこの世界から脱出できるのかそういう一種の祈りに似た思いから、兵法が生まれたのだと思います」


 この「なんともやりきれない気持ちや一種の祈りに似た思いから兵法が生まれた」という表現は哲学科の教授らしく、たいへんわかりやすく、これ以上にない素晴らしい表現ですね。


‥つづく


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2017年6月26日月曜日

武術心法2

 随分以前のこと、一時期、政治家の秘書として、国会を中心に、興味本位から政治の世界を見てまいりましたが、その時の感想が「武術の戦いと似ている‥」というものでした。


 政治の世界では 「政治は力、政治は数」という単純な言葉が真理であり、学生時代に教わった「この世は民主主義の学校」なんていうのは嘘‥、権力闘争こそが政治の真実だということを学びました。


 “物知りのおちょぼ口の青っ白い正義感”などは数の力の前に一蹴され、悲しいかな負け犬の遠吠えの如き扱いを受ける‥。


 政治の世界は、「正しいことをしたければ偉くなれ。 良いことをしたければ数を集めろ」 が真実だと言えます。残念ですが、制度的にそうなっています‥。


 このため、還暦を過ぎた方々が白髪を黒々に染めあげ、しかも整髪料でギラつかせ、周囲を睥睨し威圧する。


 しかし、、負け犬も負けたばかりでは終われない。


 奮起した負け犬が真実を学び、その真理を実行することで勝ち組を追い詰め、ついに自分が勝ち組に成り代わる。


 しかし、この世は栄枯盛衰、盛者必滅‥。


 せっかく手に入れた勝ち組のポストも、自分が追い詰めた以前の勝ち組から追い詰められ、長年かかって手に入れたポストを追われていく。


 でも、臥薪嘗胆、いつかまた‥。


 際限なく権力闘争の螺旋が繰り返されていく‥。


 少々さびしい気がするのは私だけでしょうか?


‥つづく


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2017年6月19日月曜日

武術心法1

 問題です。


 AさんとBさんが戦うことになりました。

 Aさんは、仮に戦闘能力を「100」持っているとします。

 Bさんも同じく戦闘能力を「100」持っています。

 なお、個々の戦闘能力は、一長一短なく同じレベルです。

 さて、Aさんは、Bさんとの戦いにどのようにすれば勝つことができるのでしょうか?


 ‥勝負というものは相対的なものですので、実際の戦いには戦闘能力以外の要素も加わってきますが、それはさておき、一般論として2種類の考え方があるのではないかと思います。


 一つ目は、戦う期日まで時間がある場合には、Aさんは戦闘能力を高めるためにトレーニング等を重ね、「戦闘能力100」を『戦闘能力120』に高める努力をするはずです。


 このトレーニングにより、AさんはBさんを超えた戦闘能力で戦いに勝利することができます。


 このことは、車のF1レースの世界で、飛躍的にエンジンの性能を伸ばすことで馬力を大幅にアップし、その馬力でレースに勝利することに似ています。


 また、太平洋戦争において、ゼロ戦対米軍戦闘機の戦いで、操縦の技術ではゼロ戦がかなり上!と言われながら敗北したことにも似ています。


 生半可なテクニックや精神力では、残念ながら多大に上回る馬力や勢いに通用しなかった例ですね。


 この欧米的な考え方は、たいへん有効です。
 世界の歴史が証明しています。


 例えば、某フルコンタクト空手の流派がパワー空手を推奨し、ウェイトトレーニングやサーキットトレーニングを取り入れ一世を風靡したのも有効である証でしょう。


 さてここで、もう一度考えていただきたいのですが、実はBさんが大金持ちで、潤沢な資金を活用し、世界中から名トレーナーを集め、Aさん以上に科学的なトレーニングを行いながら、世界最高のテクニックを学ぶことで「戦闘能力が150」にアップしていたとしたら?


 Aさんは、Bさんの餌食となってしまうことでしょう。


 パワーは年齢とともに衰え、技術は限りなく進化し更新されていきます。


 次にあなたは、「戦闘能力200」を目指すのでしょうか・・・。


 ‥つづく


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2017年6月12日月曜日

人は楽を得んとして苦しむ

 「人は楽を得んとして苦しむ」


 近所の仙光寺の掲示板に掲載されていました。

 …そのとおりですよね。

 ちっちゃいことや姑息なことは考えず、

 無私無偏。

 真っ直ぐ生きたいものです。


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2017年6月5日月曜日

素読のススメ

 子供クラスでは、「素読(そどく)」を終了間際に5分程度行います。

 素読とは、「内容の理解は抜きにして、古文、特に漢文の文字そのままを音読」することです。

 昭和初期(明治期?)までは、幼少期から論語などの古典を素読させられたそうです。

 私は、このことが後進国であった日本を短期間で現代国家に創り上げた原動力になったものだと信じます。

 さて、私は大学を卒業し社会人になって初めて、たいへん重要だと思われることを学んでこなかったことに気がつきました。

 その重要なこととは、人生を生き抜くうえで大切な「幸福に生きるための原理原則」のことです。

 これを一般的には、「道徳」、「倫理」、「真理」、そして「宇宙の法則」など、さまざまな表現がされますが、具体的には、論語が代表される四書五経、時代を経てなおも読まれている古典に全て記載されています。

 このため、これを熟読し地道に実践することで解決するのですが、しかし、古典は大人の方でも苦手な方が大半で敷居が高く敬遠しがちです。

 子供達には、きっと難しすぎて意味がわからないことでしょう。そして、興味もないことでしょう。

 しかし、最も大事だと思われることは、意味が分からないにしてもとりあえずは触れておく、このことに意味があると考えます。

 私もこのことを学んでいれば、こんな失敗はしなかったのに…、と正直なところ悔やんだことが多々あります。

 「読書百編、意おのずから通ず」という言葉がありますが、素読は、声を出して何度も読んでいくうちに、自然にその意味が表れてくる、分かってくる、そうした読み方を言います。

 ほんの少しずつですが素読を続けることで、子供たちが幸福に生きるための原理原則を身につけてくれれば…、と考えています。

 参考までに、以前、懇意にさせていただいていた長峯誠都城市長の父である元参議院議員の長峯基さんの経営する幼稚園でも行われているそうです。


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2017年5月29日月曜日

戦気

 「戦氣」(せんき)。

 宮本武蔵の書が有名ですね。


 戦いに臨んだときの気迫を表現している言葉と言われています。


 武蔵の書は、この戦氣の後に「寒流帯月澄如鏡(かんりゅうつきをおびてすむことかがみのごとし)」という唐代の詩人白楽天の詩の一句を付け加えています。


 冷たい冬の夜、川面に映る月が鏡のように澄みわたっているという意味でしょう。きっと、澄みわたる心の状態が戦気に通じるといった意味で書かれたのでしょうね。


 いわゆる合気道における「すみきり」の境地。


 この置物は、書道家の押川仁さんから道場開きのお祝いにいただいたお気に入りの品です。


 
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武道的思考

 この本の著者である内田樹さんは、合気道の多田宏先生の門下で神戸女学院大学名誉教授の方です。

  「何かためになる本ないかなー」と書店で探していたときに偶然見つけた本。

  自身のブログを本にしたようで、視点が少し異なるので、少々違和感を覚えることもありましたが、堅苦しくなく楽しく読める珍しい武道本です。

 興味のある方はどうぞ。

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2017年5月22日月曜日

男の順序

 写真は薬丸(野太刀)自顕流の立木(横木)、薩摩と聞くと思い出します。


 薩摩の訓え ~ 男の順序


 一 何かに挑戦し、成功した者
 二 何かに挑戦し、失敗した者
 三 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
 四 何もしなかった者
 五 何もせずに批判だけしていた者


 同じ九州人だからなのでしょうか?


 このランク付けには納得!です。


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2017年5月15日月曜日

タイ捨流の哲学「三世一貫の理」

 参考までにタイ捨流剣法の哲学を一つ紹介します。

 それは、「三世一貫の理」というもの。

 多分、タイ捨流の歴史において初めて発表するものだと思いますが、たいへん重要な内容ですので、ぜひ覚えてください。

 きっと、人生において何か重要な判断をしなければならない時の指針になると思いますよ。

 なお、タイ捨流等の伝統武道、若しくは古武道と言われるものには、生死の境を垣間見た先人たちの素晴らしい教え、哲学、智慧が残っていることに驚かされます。

 私もずいぶん助けられましたし、今も助けられています。

 内容については、多少宗教哲学的になります。

 なお、このような話にアレルギーがある方もいらっしゃるとは思いますが、そのような方には必要のない教えですので、ここから先は読み飛ばしてください。

 さて、「三世一貫の理」とは何か?

 「人は必ず死ぬ『生き物』である。

 人とは、物質体と意識体、つまり『肉体と意識体(魂・心)』それぞれ存在する次元の異なる世界を越えて合一したものであり、死とはその物質体のみが消耗しつくした状態のことをいう。

 物質体は、有限な存在で所謂消耗品である。
 意識体は、人の死と共に亡くならない無限な存在である。

 この意識体(魂)は、自我滅却を目的とした経験を積むためにこの人間界に修業に来るが、有限な存在の物質体(肉体)が消耗しつくし死を迎える。

 意識体は、『一般的に』来世へ向かうために一旦は中間世へ向かい、その後来世へ生まれ変わる。

 『一般的に』と表現したのは、人間界の修業が完了した人は、生まれ変わる必要がなくなるためである。

 次に『過去世-現世-来世』、若しくは、『現世-中間世-来世』のことを三世という。

 この法則を理解し、人生の判断基準の一つとして活用して、三つの世を一貫して生きることで初めて正しい人生を生きぬくことが可能になり、真に生き生きとした人生、前向きで積極的な人生を歩めるようになる。

この法則・原理を理解し、人生を達観しなさい。」


    ‥ということ。 このことを『三世一貫の理』といいます。

 信じる、信じないは皆さんの自由です。

 なお、合気道開祖は、「この合気道において禊をし、精神の立て直しをするのです。『この肉体は黄金の釜』であります。霊魂をつくり直すことができるのです。」と話されています。

 人間界に修業に来た魂を練り直すために必要な肉体のことについて、このように表現されたのだと思います。


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2017年5月8日月曜日

剣の法(Ken no nori)

 「剣の法(Ken no nori)」 ‥勝つことを活かすことに、殺すことを創ることに‥。


 ありがたい‥。


 上級者向けでたいへん難解な本ですが、久しぶりに面白い本に出会えました。


 立教大学教授で新陰流武術探究会を主宰されている前田英樹先生の著作です。


 でもこの本、注意が必要です。
 前田先生独特の哲学者のような説明と武術的専門用語の多さから、人によっては、まったく面白くない(笑)はずです。


 前田先生の本は、「剣の思想」、「宮本武蔵五輪の書の哲学」、「独学の精神」、「倫理という力」などを通じて多々影響を受けてきましたが、私にとっては、群を抜いてこの本は面白いと感じています。


 年齢を重ねるごとに様々な理由から、薄っぺらな書籍は読むに堪えなくなります。こんなに考えさせられた本は久しぶりですね。


 さて、御存じのとおり、タイ捨流剣法は、元々は新陰流です。


 タイ捨流は、新陰流二十世の柳生厳長師範が唯一認めた「新陰流の正統」(著書 正傳新陰流より)でもあります。なお、その他の新陰(影)流を名乗る流派は一切正統だとは認めていないようです。


 私は、タイ捨流も新陰流も縁により結果的に学ぶことになりましたが、両方を学んだことで、「なぜこのような動きをするのか?」等々、形骸化していると思われる部分の解読にたいへん力になりました。


 最後に‥、新陰流も世界に誇れる素晴らしい剣術ですよ。


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2017年5月1日月曜日

ヒラリー・クリントン氏からのメッセージ

 番狂わせとは、まさにこのこと‥、トランプ氏が勝つはずはないと思い、当時は、ニュースさえ気にもとめていませんでした。


 ‥選挙とは、最後の最後まで分からないものですね。


 そんなことを感じたアメリカ大統領選でした。


 さて、ヒラリー・クリントン氏が敗北宣言の席で素晴らしい言葉を述べています。


 「憲法に基づく民主主義は、私たちの参加を求めます。4年に1度の選挙のときだけではありません。常に参加を求めているのです。だから、できることをやりましょう。私たちが大切にしている理念や価値を前に進めていくために。私たちの経済を富裕層だけでなく、みんなのものにするために。私たちの国を、私たちの地球を守るために‥」


 他にも素晴らしい言葉があったのですが、特に若者を鼓舞するメッセージが心に響きました。


 「皆さんに、特に若い人たちに聞いて欲しいんです。私は、自分が信じるもののために、生涯をかけて戦ってきました。勝ったことも、負けたこともあります。辛い思いもしました。あなたたちも、勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。負けることは辛い。でも、決して、信じることをやめないでください。権利を求めて戦うことは、価値のあることです。やるべき価値のあることなんです」


 「私たちは最も高い『ガラスの天井』を打ち破ることはできませんでした。でも、いつか誰かが打ち破るでしょう。そのときが、今、私たちが考えている以上に早いことを望みます。あなたは、価値がある存在で、しかも力強い。あなたの夢を実現する機会を追い求めるに値するんです。そのことを、決して疑わないで‥」


 私も、この言葉を若い道場生達に送りたいと考えます。



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2017年4月24日月曜日

ノーベル医学生理学賞 大隅良典教授の言葉

 2016年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典、東京工業大学栄誉教授(71)に決まりました。


 さて、先日、ニュースを見ていましたら、大隈教授のインタビューが流れていましたが、その言葉の一つ一つが味わい深く感じました。


 ‥ということから参考までに紹介します。


 「あんまり競争が好きではありませんので人がよってたかっていることをやるより人がやっていないことをやる方が楽しい。これはサイエンスのある意味では本質であると思っています」、


 「皆さんがあまり興味を持たなかった時代に、私はタンパク質の分解の研究を始めた。皆で寄ってたかってやることもサイエンスの一つの在り方だとは思う。しかしそれより、人がやっていないことをやる方が楽しいというのが本質みたいなものだ。誰が一番乗りするかを競うより、誰もやっていないことを見つける喜びの方が大事ではないか」、


 「一つだけ強調したいのは、私が研究を始めた時は『病気に役立つ』などと確信して始めたわけではない。基礎研究はそういうものだと認識してほしい」、


 「研究にゴールはない」、


 「オートファジーの仕組みの解明はまだ3合目で分からないことの方が多い。今後も若い人たちに問題提起を続けていく」、


 「静止画像では語れないもの。生命はいつもエネルギーを取り込み、自分の中を維持して初めて成立する。細胞の中で、構成要素が合成と分解などを繰り返して動き回っている。つまり、生命はダイナミックにしか存在しない。そのことの一つの側面がオートファジーだ。細胞の持つ基本的な性質であり、より解明が進むことを期待したい」、


 「私自身、もうちょっとオートファジーの生理学を究めたい。いまだに酵母にたくさんのことを問いかけている。それが動物細胞の理解につながってくれればいいなという思いで。若者には、自分で興味のある現象をやってもらい、新しい生物学を作ってほしい」、


 私は、このインタビューを聞いて、この受賞を機に実は「何かを訴えたかったのかな?」とも感じましたが、皆さんはどう思われたでしょうか。


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2017年4月17日月曜日

空手道と合気道2

 ちなみに先ほどの倉本師範の言葉。


問:先生の技を見ていると演武のような打撃だけではなく、合気のような動きも多いですよね。

倉本師範:合気道の選手もうちの塾にやって来ますが、「パンチなどでガンガン攻められると合気道の技術は使えない」ということを言ってくる。であれば、「なぜ使えるようにするための工夫をしないんだ?」というのが僕の考え方。僕は「合気は使えるよ」と教えてやる。そして打撃の中でどう合気道の技を使うかを実際にやって見せてあげる。要はみなさんがそこの領域まで行けていないわけです。


問:確かに残念ながら合気道は実戦では使えないみたいなイメージは存在します。

倉本師範:実際は使えるんです。使えないというのは相手と触れ合うときの「入り口」が見つからないんですね。


 ‥とのことです。参考まで。


 最後に、中村師範の言葉。


 「その人に哲学がなければ、武道をやっていてもしょうがない」。


 「自分が武道修行をやったことによって、いかにして社会の発展に貢献できるかどうかが全てだ。社会に貢献できないのなら、一人で山の中で突き蹴りをやればいい」。


 「実技と理論を並行して学べ。実技の伴わない理論は空理空論であり、技術だけに走っても進歩は遅く、いたずらに苦労を重ねるだけである」。


 「理より入る者は、技より入るものより一日の長あり。その技法を会得して後、手足の鍛錬をなすべきである」。


 「社会生活の理想は平和であり、争いはあくまで避けなければならない。しかし、現実の社会生活には、まだ多くの争いまたは障害が伴っている。世には正義の仮面をかぶって心に邪悪の剣をとり、道理を無視する者が個人間にも、団体間にも、国際間にもあとを絶たないものだ。現代の現実にあって正義を貫くには、どんな障害にも打ち勝つ強固な意志と気迫、臨機応変の機敏と沈着を必要とする。これらの諸徳は、死生を越えて真剣の勝負を競う武道修行によって最もよく養われるのである」。


 「身を護れ。相手を攻めようと思ったら自ら隙が出て、敵に乗じられるのである。身を護っていれば、相手の隙が自然に見えてくるのである」。


 中村師範の哲学を総合的に解釈すると、結局のところ「鍛えた肉体と精神をもって、いかにこの世の進化向上に寄与できるか」を求めていたように思われます。


 私も社会生活に生かせない武道に価値はないと思います。


 たいへん勉強になります。ありがとうございました。


‥終わり



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2017年4月10日月曜日

空手道と合気道1

 ちょうど4年ほど前になりますか。
 平成25年1月、空手道拳道会の中村日出夫師範が亡くなられたそうです。享年98歳。


 もちろん面識はありませんが、お弟子さんが書かれた書物を通じて、その圧倒的な実力は以前から耳にしていました。


 その高弟であり、現拳道会会長である石山圭師範が度々マスコミに取り上げられますが、その話される内容はたいへん含蓄に富んでいて考えさせられます。弟子がこれだけの方ですから、やはり中村氏もすごい人なのでしょう。


 高弟で極真館館長である盧山初男氏は、その強さ(長生き?)の秘密の一端として、常に体を温めていたことにあると明かしています。


 具体的には、体を冷やさないように稽古中でも熱いほうじ茶を飲んでいたとか‥。


 もちろん酒席では、冷たいビールなどは嗜まれたようですが、そのほかでは、温かい物しか決して召し上がらなかったそうです。


 さて、この中村師範。
 空手の裏技として、合気道のような投げ技と関節技のようなものを得意技としていて、裏技ができて空手家として一人前とおっしゃっていたようです。


 高弟であり現極真館館長である盧山初男氏が初めて中村先生と立ち会った時には、この裏技でコテンパンにやられたようで、「何とかしてこの裏技を盗もう」としたけどなかなか難しい技だったらしく「そうもいかなかった‥」と自伝に書かれています。



私も合気道家として、この技を解明したく元高弟で現脩己會最高師範である倉本成春氏のビデオ映像を通じて研究したのですが、裏技の動画は少なくなかなか研究が進みませんでした。

<参考>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%89%E6%9C%AC%E6%88%90%E6%98%A5


 ちなみにこの倉本師範も本物です。


 若い頃の砂袋鍛錬のビデオを所有しているのですが、本当に手が見えない‥、そして一撃一撃がすさまじいばかりの威力‥、まさに「びっくり映像」です。


 ビデオが加工されているわけではありません。
 きっと初動が速すぎるのでしょう。


 さて話は変わりますが、中村師範の追悼記事の写真の中になんと「八光流」と文字の入った帯が‥。


 んっ、なんと裏技の正体は八光流柔術?だったのでしょうか。
 もちろん空手に合うように独自の工夫は加えられたと思いますが‥、少し驚きました。


 ‥つづく



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2017年4月3日月曜日

日本建国の精神は「和」である‥

 「日本の建国精神は『和』である」と、作家の竹田恒泰氏が著書の中で述べています。


 この竹田氏は、明治天皇の玄孫(やしゃご)にあたるらしいので、その精神性を受け継いでらっしゃるのでしょうか。


 さて、この「和」、合気道の根本理念としても有名ですが、「大和(やまと)」等にも象徴されますように日本人に馴染みのある精神性だと思います。


 竹田氏の説く「和」とは、「自分ことは後回しにする精神」であり、「日本国民は、その和の精神によって統合されている」と述べています。


 ‥ここで思うのが、「働く」ということ。


 諸説あるのですが、「働く」の語源は「傍(はた)を楽にする」こと、‥だと言われています。


 「はた」というのは他人のこと。


 自分以外の人の負担を軽くしてあげることですね。


 しかし、何のために働くのか? と問われると、「お金のため」、「自己実現」等々、自分の利益追求が主だと思います。


 否定はしません。そのとおりです。


 生まれたからには、生きていかなければならない。


 しかし、どこかに「人の役に立ちたい」という気持ちも心の片隅に持っているのではないかと思います。


 「和の精神」と「人の役に立ちたいという気持ち」‥、連動させればもっとよい社会になるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。

 
 日本人は元来、「誇りと恥」を大事にしてきた民族。


 自己満足追求型の仕事は続けられません。


 ひょっとして、そこに「誇り」が生まれないからかもしれませんね。



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2017年3月27日月曜日

持田盛二師範遺訓

 久しぶりに尊敬する剣道家の持田盛二師範の遺訓を読み返してみました。


 ふと思い出しては、読み返していますが、改めてその素晴らしさを感じます。


 合気道家の皆さんにも関係がありますので、特に参考になりそうなところを紹介します。


 なお、これは西都道場で稽古されている本田先生(剣道七段)よりいただいた資料から抜粋したものです。


 本田先生、ありがとうございました。


 「剣道は五十歳までは基礎を一生懸命勉強して、自分のものにしなくてはならない。


 普通基礎というと、初心者のうちに修得してしまったと思っているが、これは大変な間違いであって、そのため基礎を頭の中にしまい込んだままの人が非常に多い。


 私は剣道の基礎を体で覚えるのに五十年かかった。


 私の剣道は五十を過ぎてから本当の修行に入った。心で剣道しようとしたからである。
六十歳になると足腰が弱くなる。この弱さを補うのは心である。心を働かして弱点を強くするように努めた。


 七十歳になると身体全体が弱くなる。こんどは心を動かさない修行をした。心が動かなくなれば、相手の心がこちらの鏡に映ってくる。心を静かに動かされないよう努めた。


 八十歳になると心は動かなくなった。だが時々雑念が入る。心の中に雑念を入れないように修行している」
 持田盛二先生遺訓より



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2017年3月20日月曜日

合気道と天風哲学24(最終)

 ようやく最後になりました(笑)


 今まで紹介した内容より深い内容を記したい思いはあるのですが、キリがありませんのでこの辺で終了いたします。


 さて私は、学生時代に事業に失敗して全てを失っての逃亡生活‥、その後は何をやってもうまくいかないことから、サーフボードを片手に海外・国内を問わず各地を転々としていた時期があります。


 他人の目には、きっと風来坊の遊び人に見えたことでしょう。


 決して、その頃の私を肯定するわけではありませんが、そうするしか生きる手段が無かったように思います。


 苦しくて、苦しくて、本当に発狂寸前‥、そうでもしていないと、気が狂いそうだったのです。


 その頃でしょうか。天風哲学を知りました。


 まだ、その時代は書店で中村天風師の本は紹介本程度しか手にすることはできず、中村氏本人による著作本は天風会に入会しないと購入できませんでした。




 なけなしのお金で天風会に入会し、少しずつ全ての本を購入し、むさぼるように読み漁りました。


 結果、大海原でもがき続けていた私にどこからか浮き輪が飛んできたような気分‥、本当に「ありがたかった」です。‥でも決してこれだけで救われたわけではありません。


 しかし、とりあえず生きるために最低限のものを与えられたという感じ‥と言えば理解してもらえるでしょうか。


 それから、先述した「観念要素の更改法」を中心に毎日事細かに実践しました。


 もちろんすぐに効果は表れません。それでも毎日実践‥。


 そうすると、ふとした或る日、笑顔で冗談を言っている自分に気が付きました。


 その瞬間、「あっ‥!?」、現在の幸や不幸は過去のその人自身の心と行動等に原因があること‥など、この世には一貫した永久不変の天地の理(自然界の法則)が存在することを直感しました。そして同時に、その原理に基づいた正しい生き方があることに開眼しました。


 そして、それまでの生活を全て見直し、規則正しい生活と読書三昧を送り、もちろん天風哲学を実践しました。「よく続けることができた?」、いやいや元の状態に戻るのが恐ろしくて続けざるをえなかったのが真相です(笑)


 その後、高橋師範に師事した際に師範が影響を受けた本の話をしてくれましたが、それは、中村天風著「真人生の探求」でした。びっくりしました。


 何でも合気道研心会の畑山師範より譲り受けたそうです。


 また、合気道小林道場の小林弘明師範より、中村天風氏の音声入りの講和集のCDをいただきましたが、総師範である小林保雄師範も天風会の会員だと後で知りました。


 高橋師範を始め、関係する師範方は、天風哲学の実践者だったのです。


 不思議な縁を感じます。


 また、高橋師範とは、神道夢想流杖術の師範(東京在住)が同じであったり、‥輪をかけて不思議な縁を感じます。


 最後になりますが、古人曰く、「人は、それぞれに応じた舞を舞って人生を終える‥」とか、現在も他の道(武道ではない)への転身のお誘いを受けることがありますが、経験上、あまり向いている道とは思えず‥、きちんとお話し、お断りさせていただいています。


 所縁から察するに、私は「合気の舞」を舞いつつ人生を終えるしかなさそうです。


 さて、次回からは、別の話題にします。


 長い連載になった「合気道と天風哲学」を読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。


…終わり


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2017年3月13日月曜日

合気道と天風哲学23

 次は“目覚め直後の心掛け”である「断定暗示法」。


 これは、命令暗示法と併用するとベストです。
 やり方は単純です。寝がけに命令暗示法を行なった内容を、翌朝目が覚めた直後に断定的な口調で暗示するだけです。


 例えば、前夜に「お前は元気が出る!」と命令した場合は、目覚めた直後に「今日は元気いっぱいだ!」とか、「私は元気が出た!」など、はっきりと断定し暗示をかける。


 その時点での、自分の体調や気分がどうであっても、自分の耳に聞こえる声ではっきりと断言します。これは、命令暗示法によって潜在意識に暗示づけられたものを、実在意識に引き戻し、実生活に役立てるという効果があります。具体的には下記のとおり。


<断定暗示法>
 前夜命令したことを既に具体化された状況で断定した言葉で表現する。
 例えば、前夜「お前は信念が強くなる」と命令したら、
 「私は今日は信念が強くなった」と自分の耳に聞こえるように言う。


<実行ポイント>
 ・目覚めた直後にやること
 ・鏡を用いても、用いなくても良い。
 ・一日中、回数を多くやる方がより効果的。


 以上、自己暗示法は、「寝際の心がけである連想暗示法・命令暗示法」と「目ざめ直後の心がけである断定暗示法」の三つです。


 「連想暗示法」で潜在意識をプラスへと活性化させ、そのベースの上に、「命令暗示法」で念願を注入し、潜在意識にプラス因子を叩き込みます。「断定暗示法」は潜在意識に暗示された念願を実在意識に引き戻し、潜在意識に刻み込む作用があります。


 結局のところ、これらは、睡眠をはさんで、一連の暗示を実在意識から潜在意識へ、そして潜在意識から実在意識へと往復させ、心の中に強く・明るいプラス因子を植え付ける方法です。


 少しずつ実行すれば大丈夫です。
 私も体験済みです。


 きちんとやれば効果は必ず生じますので、少しずつコツコツと実践されることをお勧めします。


 …つづく
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2017年3月6日月曜日

合気道と天風哲学22

さて、寝際という“うつらうつら状態”、若しくはその直前は、大脳が徐々に休止状態に入り、「無条件に自分の考えていることや暗示を受け入れやすいタイミング」です。


 先述しましたが、この時は、マイナスな印象を与えても無条件に受け入れますので特に注意し、あえて積極的なことを連想しながら寝ます。具体的には、楽しいこと、嬉しいこと、明るく、尊く、強く、正しく、清らかなことを思い描きながら就寝します。


 このことについて、天風氏は次のように述べています。


 「暗示感受習性の特別な時とは、人間が眠りにつく前に精神生命に発生する現象です。これから熟睡しようというトランスの状態に入る直前には、実在意識が思ったり考えたりしたことが、力ある同化力を働かせて、無条件に潜在意識の中に入り込みます。

 人間が眠りにつくときは、精神生命に収束を与え、無我の境へと人々の心を誘い入れるための準備を整えようという、造物主の思し召しの時なのです。

 この時、実在意識が考えたことは無条件に潜在意識に入りこんでいきます。眠ることは人間の精神状態を無我の境へ導くための造物主の意図であります」


 「何でも良いから嬉しいこと、楽しいことを考えなさい。夜の寝際は哲学的に言うと、生ける生命をそのまま偉大な造物主のお力にお預けする時なのです。

 夜の寝際には、もっときれいな気持ちになりなさい。磨きたてた真珠を、薄絹のベールに包んだようなきれいな気持ちになりなさい」


 ‥と諭されています。


 ここで思い浮かぶのが「おとぎ話」。


 ここまで読んでいただいた方に説明は不要だと思いますが、子供の寝際に悲しい話や悲しい話はタブーです。


 男の子には、「気は優しくて力持ち」、「勇敢な青年の物語」など、『強く、正しく、美しく、心優しい』ヒーロー物語が適しており、女の子には、『美しく、正しく、強く、心優しい』女性のヒロインものが適していると思います。


 親御さんが理想とするヒーローやヒロインの物語を飽きるまで聞かせると、子供さんの潜在意識に自然に作用し、いつの間にか理想とする人物に育つかもしれませんよ。


 ‥つづく

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